古代ヘレニズム世界
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/05 15:26 UTC 版)
通常、ヘレニズム世界におけるキミアの起源は、紀元後初数世紀の古代エジプトの都市アレクサンドリアに求められるだろう。もっとも古いキミアにかんする史料は、西暦300年頃書かれたとされる二つのパピルスである。古代の冶金術から発達したキミアの本来の目的は、鉛や鉄などの卑金属を「変成」(transmutatio)して、金や銀といった貴金属をえようとするもので、理論的な根幹をギリシアの哲学者アリストテレスの四元素(火、空気、水、土)理論においていた。アリストテレスは、自然の万物はこれら四元素だけからできていると考え、四元素自身はたがいに「変成」が可能であるとした。そこから、キミスト達は自然の事物を元素の段階まで分解して変成させれば、まったく別の性質をもった物質がえられると考えた。とくに、似たもの同士の物質間での方が、まったく違うもの同士よりも変成しやすいと考えられたので、卑金属を貴金属に変えることは比較的に容易であろうと思われたわけである。
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