古ビルマ語
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/03 09:21 UTC 版)
中華人民共和国南西部ではビルマ語と近縁の彝語が話されているが、ビルマ語の祖語にあたる言語はそこから南下して紀元後9世紀までの間に現在のミャンマー(ビルマ)の地にもたらされたと考えられる。そしてその言語がその地に暮らしていたモン族の言語であるモン語やパーリ語の仏典と接触した結果、チベット・ビルマ諸語の土台にモン・クメール諸語の基層や表記体系に加えてパーリ語仏典のイデオロギー的な上部構造を兼ね備えた言語が生まれた。表記体系に関してはモン族が使っていた文字が11世紀後半ごろにビルマ語に使われるようになった(ビルマ文字)。12世紀前後には仏教徒の功徳を記録した碑文が多数現れるようになる。この時代に書かれたビルマ語を「古ビルマ語(英語版)」(11世紀 - 16世紀)と呼ぶ。古ビルマ語の資料の中で年代のはっきりしている記録として最も古いものが「ミャゼーディー碑文」(1112年)のビルマ語である。これは四面体の石柱に同一の内容がモン語、パーリ語、ピュー語、そしてビルマ語の4つの言語で刻まれているもので、「ビルマのロゼッタストーン」とも呼ばれる。問題の地域の宮廷では書き言葉としてモン語が用いられていたが、12世紀までにビルマ語が代わってその地位を得ることとなった。
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