受容体のダウンレギュレーションとアップレギュレーション
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「ダウンレギュレーションとアップレギュレーション」の記事における「受容体のダウンレギュレーションとアップレギュレーション」の解説
すべての生細胞は、細胞膜の外側から発生するシグナル(信号)を受信して処理する能力を持っている。これは、細胞膜に埋め込まれた細胞表面にあることが多い受容体と呼ばれるタンパク質によって行われる。そのようなシグナルと受容体が相互作用するとき、細胞の分裂や死滅、物質の生成、細胞の中へ出入りするなど、事実上、細胞に何かを指示する。細胞が化学的なメッセージに応答する能力は、そのメッセージに同調する受容体の存在に依存する。メッセージに同調する受容体が多ければ多いほど、細胞はそのメッセージに応答する。 受容体は、細胞のDNA内の命令から作成または発現して、シグナルが弱いときには増加(アップレギュレート)し、強いときには減少(ダウンレギュレート)する。また、受容体のレベルは、細胞が必要としなくなった受容体を分解するシステムを調節することで、アップレギュレートまたはダウンレギュレートさせることができる。 受容体のダウンレギュレーションは、受容体が慢性的に過剰な量のリガンド、すなわち内因性メディエーターまたは外因性薬物のいずれかに曝露された場合にも起こる可能性がある。その結果、その受容体のリガンド誘導性脱感作または内在化が引き起こされる。これは通常、動物のホルモン受容体によく見られる。一方、受容体のアップレギュレーションは、特にアンタゴニストへの反復暴露や、リガンドの長期不在の後に、過感作細胞をもたらす可能性がある。 一部の受容体アゴニストはそれぞれの受容体のダウンレギュレーションを引き起こす可能性がある一方、ほとんどの受容体アンタゴニストは、それぞれの受容体を一時的にアップレギューレートさせる。このような変化による不平衡状態は、薬物の長期使用を中止したときにしばしば離脱症状を引き起こす。ただし、ある種の受容体アンタゴニストの使用は、受容体を損傷する可能性もある[要説明]。 アップレギュレーションやダウンレギュレーションはまた、毒素またはホルモンへの応答として起こることもある。妊娠中のアップレギュレーションの例として、子宮内の細胞がオキシトシンに対してより敏感になるホルモンが挙げられる。
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