受容体とシグナル伝達分子
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/09 14:31 UTC 版)
「インターロイキン-7」の記事における「受容体とシグナル伝達分子」の解説
IL-7受容体からのシグナル伝達には多くの非受容体型チロシンキナーゼが関与しており、JAK-STAT経路やPI3キナーゼ-Akt経路、Srcファミリーのチロシンキナーゼを活性化させる。IL-7Rα鎖およびγc鎖の細胞内ドメインにはシグナル伝達分子の結合部位が2つ存在している。一つは細胞膜近傍に位置する領域であり、Box1と呼ばれる。α鎖のBox1にはJAK1が、γc鎖にはJAK3がそれぞれ結合しており、いずれもキナーゼの一種である。もう一つの結合部位はチロシン残基であり、このアミノ酸残基はヒトとマウスの間で保存されている。チロシン残基はSTATなどのSH2ドメインを含むタンパク質の結合部位になるが、結合部位として機能するためにはJAKによってチロシン残基がリン酸化修飾を受ける必要がある。IL-7シグナルにおいては転写因子であるSTAT1、3および5が活性化されるが、IL-7Rα鎖のアミノ基側末端から449番目に位置するチロシン残基(Tyr449)の変異によりSTAT1およびSTAT3の活性は完全には失われないという報告があることより、IL-7のシグナル伝達には他の経路が存在する可能性が示唆される。
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