受容体とシグナル伝達
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/18 03:36 UTC 版)
「インターロイキン-18」の記事における「受容体とシグナル伝達」の解説
IL-18の受容体は、成熟型IL-18に低い親和性で結合する誘導性構成要素であるIL-18Rα(英語版)と、恒常的に発現しているコレセプター(英語版)であるIL-18Rβ(英語版)から構成される。IL-18はリガンド受容体であるIL-18Rαに結合し、IL-18Rβのリクルートを誘導して高親和性複合体を形成する。この複合体はTIRドメイン(英語版)(toll/interleukin-1 receptor domain)を介してシグナルを伝達する。このシグナル伝達ドメインはMyD88(英語版)アダプタータンパク質をリクルートし、炎症促進プログラムとNF-κB経路を活性化する。IL-18の活性は細胞外のIL-18BP(英語版)(interleukin 18 binding protein)によって抑制される。IL-18BPはIL-18Rαよりも高い親和性でIL-18に結合することで、IL-18のIL-18受容体への結合を防ぐ。IL-37(英語版)は、IL-18の作用を抑制する他の内因性因子である。IL-37はIL-18と高い相同性を有しており、IL-18Rαと結合してIL-18の活性を低下させる。さらに、IL-37はSIGIRR(英語版)(single immunoglobulin IL-1 receptor related protein、IL-1R8、TIR8とも呼ばれる)に結合し、IL-18Rαと複合体を形成して抗炎症応答を誘導する。IL-37/IL-18Rα/IL-1R8複合体はSTAT3(英語版)シグナル伝達経路を活性化し、NF-κBとAP-1の活性化を低下させ、IFN-γの産生を減少させる。このように、IL-37とIL-18は相反する役割を持ち、IL-37はIL-18の炎症促進効果を調節する。
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