収録時のマイクセッティング
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/04 08:42 UTC 版)
「ステレオ」の記事における「収録時のマイクセッティング」の解説
ステレオ録音する際のマイクセッティング方法は様々なものが提案されてきた。 A・Bステレオ 全指向性のマイク2本を、マイク中心から20cm〜2mほど離し、音源に向かって水平に配置したものである。ハンディレコーダーにはマイクを外側に傾けたものや、内側に傾けてXYステレオに切り替えられる機種も存在する。 MSステレオ 「M/Sプロセッシング」を参照 単一指向性のマイク(Midマイク)1本を音源に向け、双指向性のマイク(Sideマイク)1本を横に向けて録音する方式。Sideマイクを単一指向性×2としたものも存在する。マイクの種類や設定などでは不可能だが、MidマイクとSideマイクをそれぞれ異なるトラックに記録できる。録音時にMSマトリックスというアナログ回路を用いたり、録音後にMS Decoderというソフトウェアなどでステレオデータに変換することができる。XYステレオ同様マイクを近接配置するため、ワンポイントステレオマイクに多い。 XYステレオ 2本の単一指向性のマイクを極力近づけて、内側に90度〜120度程度に傾けたセッティング方法。ワンポイントステレオマイクに多い。ワンポイントマイクによっては、ダイヤフラムに角度をつけ、マイクカプセルを回転させることで2段階に交差角を切り替えられる機種もある。非圧縮の状態で記録されていれば、録音後にMS EncoderというソフトウェアでMSステレオに変換でき、Mid、Sideのゲインを調節したあとMS Decoderで標準的なステレオデータに戻すことができる。 ORTFステレオ フランス公共放送(Office de Radiodiffusion Television Francaise)が使用しているセッティング方式。マイクを17cm離し、外側に110度開く。 NOSステレオ オランダ公共放送(Nederlandse Omroep Stichting)が使用するセッティング方式で、マイク間隔は30cmとし、外側に90度傾ける。 バイノーラル 「バイノーラル」を参照 2つの超小型全指向性マイクをダミーヘッドや収録者の耳に組み込み、ヘッドホンやイヤホンで再生する。 また、殆どの商業録音ではマルチマイク録音が行われる。これは各楽器、パート別に多数のマイクロフォンを配置し、マルチトラックレコーダを用いて多チャンネル録音を行い、後で各チャンネルの音楽的バランスをとりつつ2チャンネル(あるいは伝送媒体の規定するチャンネル数)にステレオミックスする方法である。音像の位置はパンポットを用いた左右の音量差のみで決めることが普通である。
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