原子力施設等の防災対策について(防災指針)
原子力災害特有の事象に着目し原子力発電所などの周辺における防災活動をより円滑に実施できるように技術的、専門的な事項を原子力安全委員会がとりまとめた指針をいう。 1979年3月に発生した米国スリーマイルアイランド(TMI)原子力発電所事故を契機に、原子力安全委員会が1980年6月、「原子力発電所等周辺の防災対策について」(防災指針)を決定した。原子力防災に対する考え方、防災対策を重点的に充実すべき地域の範囲(EPZ)、緊急時環境放射線モニタリング、災害応急対策及び緊急被ばく医療の実施のための指針であり、原子力防災活動に必要な技術的・専門的事項が示されている。 平成12年(2000年)5月には、東海村におけるJCO臨界事故対応の教訓や原子力災害対策特別措置法との整合性を踏まえ、「原子力施設等の防災対策について」として改訂された。その中で、EPZについて、従来の原子力発電所、再処理施設に加えて試験研究炉、核燃料加工施設、大規模の核燃料使用施設及び放射性廃棄物関連施設を対象とすること、従来の希ガス及びヨウ素対策に加え、核燃料物質の放出や臨界事故にも対応できるようにすること等について見直しが行われた。 その後、緊急被ばく医療体制の構築、安定ヨウ素剤予防服用に係る防護対策及び原子力災害時におけるメンタルヘルス(心の健康)に関する対策を柱とする改訂が行われている。 平成19年5月には、国際的な原子力防災に係る検討を踏まえて、防災指針の位置付け、対象、防護対策実施のための整備、安定ヨウ素剤予防服用に係る運用等について見直しが行われた。 なお、平成20年3月の「環境放射線モニタリング指針」の原子力安全委員会決定に従い、参照すべき指針の名称の変更が行われている。
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