卵菌の場合
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2017/01/10 09:23 UTC 版)
ミズカビなどの卵菌類の場合、菌糸の側面から出た枝の先端が丸く膨らむようにして生卵器と呼ばれる雌性配偶子のうが形成される。その内部では減数分裂が行われ、卵胞子が形成される。雄性配偶子のうは周囲の菌糸から出た細い菌糸の形で、生卵器の表面に伸びて、表面から中へともぐりこむようにして卵胞子と接合する。 この場合、配偶子のう同士の接触によって接合が行われるので、配偶子のう接合と言えるが、卵胞子、つまり雌性配偶子が分化しているので、配偶子配偶子嚢接合とも呼ばれる。
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卵菌の場合
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/02/03 05:41 UTC 版)
卵菌類のミズカビ類においても、これらと似た現象が知られる。ミズカビ類においては、むしろ自家和合性のものが多い。単独株でも、ある程度の期間の培養を行えば、有性生殖が見られるのが普通である。しかし、ワタカビなどの一部に自家不和合性の種がある。 ミズカビ類の有性生殖は、やはり配偶子のう接合によるが、ケカビ類とは異なり、雌雄の性差が明確である。雌性配偶子のうは大きく膨らんで内部に卵胞子を形成し、雄性配偶子のうは細長くて、受精管を雌性配偶子のうに差し入れて受精を行う。 この類の自家不和合なものでは、好適な株を互いに接近させれば、両者がそれぞれに雄性配偶子のうや雌性配偶子のうを形成し始める。この際、片方の株からは雄性配偶子のうが、もう片方の株からは雌性配偶子のうが形成される。つまり雄株と雌株に分かれる訳である。この際の両株から数種のホルモンが分泌され、これらの構造の形成に係わっていることが知られている。 ところで、それではこの類には雄株と雌株があるのかと言えば、必ずしもそうではない。というのは、ワタカビ属のあるもので知られているが、相対的雌雄性(relative sexuality)という現象が見られるのである。先にも述べたように、和合する二つの株を合わせた時、片方は雄性、他方は雌性にふるまうのであるが、さまざまな株を集め、多くの組み合わせで交配を試みると、必ず雄性にふるまうもの、必ず雌性にふるまうもののほか、相手次第で雄性になったり雌性にふるまったりする株が見られる。そして、絶対に雄性でしかふるまわないものと、必ず雌性になるものを両端に並べると、それぞれの株をその中間のさまざまな段階に配置することができるという。 このほか、変形菌においては単相アメーバの接合の際に、細胞性粘菌のタマホコリカビではマクロシストの形成に関して自家不和合性をしめすものが知られている。
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