北京側の「中国台北」への回帰
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「チャイニーズタイペイ」の記事における「北京側の「中国台北」への回帰」の解説
中華民国外交部は、Chinese Taipeiを中華台北と訳すべきであるとしている。2008年、中華人民共和国国務院台湾事務辦公室(国台辦)のスポークスパーソン楊毅はこれに対し、「中国台北」も「中華台北」もChinese Taipeiの中国語訳であり、オリンピック委員会の取り決めは、その範囲外で大陸の組織団体・個人が「中国台北」を使う権利には及ばず、「中国台北」は台湾の矮小化だとの指摘は当たらないと説明した。同時に楊は、北京オリンピック組織委員会の文書などでは、台湾のスポーツ団体・組織を指す場合「中華台北」の表記に統一されているとした。 2016年5月に蔡英文総統が就任してからしばらくの間は「中華台北」の呼称に変更はなかったが、中華人民共和国政府と中華民国政府との間に九二共識について意見の隔たりが出てくると、両者の関係は緊迫し、中国大陸のメディアは再び「中国台北」を使うようになった。 新華社が出した《新華社新聞信息報導中的禁用詞和慎用詞(2016年7月修訂)》(報道における使用禁止用語と要注意用語〈2016年7月修訂〉)の66番目の項目には「国でなくとも参加できる国際機関や経済貿易・文化・スポーツに関する民間の国際組織の中の台湾の組織は『台湾』または『台北』と呼んではならず、『中国台北』『中国台湾』と呼称しなければならない。特殊な事情で『中華台北』を使う場合には事前に外交部と国台辦の指示を仰ぐこと」とあるという。 2017年4月、中国中央電視台など中国の官製メディアがスポーツ中継で台湾を「中華台北」でなく「中国台北」と呼ぶようになったことについて、中華民国行政院大陸委員会の張小月主任委員は「大陸メディアが一方的にわれわれの名称を(「中国台北」と)矮小化しているのを受け入れることは決してできない。台湾は断じて中国大陸の一部ではない。大陸側に正式に抗議する」と発言した。
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