北アメリカ大陸での化石
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/05 14:06 UTC 版)
「白亜紀と古第三紀の間の大量絶滅」の記事における「北アメリカ大陸での化石」の解説
北アメリカの陸上の地層では、大量絶滅はマーストリヒト期後期に豊富に存在した化石が、境界を越えると突如失われやがて前述のシダスパイクが現れるという顕著な不一致がみられるところで最もわかりやすく見いだされる。現在、世界で最も重要な、K-Pg境界からの恐竜の化石を含む地層は北アメリカ西部モンタナ州に見つかっているマーストリヒト期後期のヘルクリーク累層である。およそ7500万年前より古いモンタナ州のジュディスリバー累層やアルバータ州のダイナソーパーク累層と比べると、ヘルクリーク累層からはそれより新しい白亜紀最後の1000万年間の恐竜の変化の情報が得られる。ただしこれらの化石層は地理的に一部にしか広がっていないので、1つの大陸の一部分しかカバーできない。 カンパニアン層と呼ばれる層の中期から後期には、ほかのどの単一の地層よりも多様な恐竜が見られる。マーストリヒト期後期の岩石からは、ティラノサウルス、アンキロサウルス、パキケファロサウルス、トリケラトプス、トロサウルスといった、主要な群の中でも最重要な種が多く見つかっている。 豊富に存在する恐竜の化石に加えて、植物の化石もK-Pg境界での種の減少を記録している。K-Pg境界より下(つまり古い層)からは被子植物の花粉の化石が多く出てくるが、境界を超えると花粉はほとんど含まれず、代わりにシダの胞子が多くを占める.。花粉の数は境界の上で徐々に回復していき、このようにシダ植物によってまず植生が回復したあと徐々に被子植物が増えていく様子は現代でも火山の噴火により植生が失われた地域で見られる。 2022年に発表された、アメリカノースダコタ州のタニス(英語版)で発見された魚骨の化石の研究によると、大量絶滅が起こった季節は北半球の春に相当するとされている。
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