助手時代
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/10/26 10:08 UTC 版)
松井の指導により、着任後の夏休み期間を使って東工大の附属図書館の蔵書40万冊の全てに目を通したという。1934年に田中芳雄の要望によって同大学内の田中研究室の助手となり、無機物理科学から応用化学に専門を移してゴムの加硫などの研究に取り組んだ。 海軍の顧問も務めていた田中を通じ、1938年に海軍航空技術廠からドイツ製のOリングの分析を指示され、ペルブナンと呼ばれるその合成ゴムがアクリロニトリルを成分としていることを突き止めた。海軍からは同等品の開発を命じられたが、エタノールからエチレンを合成するところから自分で行わなければならず、さらに数段階を経てアクリロニトリルやブタジエンを合成しても一斗缶(=18リットル)のアルコールから数グラムの共重合体を得るのがやっとだった。このため生産プロセスへの移行は無理だと説明したが、理解力のない若い海軍将校からは「大和魂でやればできる」などと言われて閉口したという。
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