劣化メカニズム
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/03/29 02:31 UTC 版)
2013年時点では、メカニズムは解明されていない。しかし、Reaction Diffusion モデルが有力と考えられている。 PMOSのゲートに負バイアスを印加すると、Si基板表面に反転層が形成され、正孔が集まる。(エネルギーの高いホットホールが発生) Si ≡ Si − H + hole ⟷ Si ≡ Si − ⋅ + + H {\displaystyle {\ce {Si\equiv Si-{H}+hole<->Si\equiv Si-\cdot ++H}}} 正孔との電気化学反応により、Si-H結合が破壊され水素原子が放出される。(水素は酸化膜中に拡散する) H + H ⟷ H 2 {\displaystyle {\ce {H + H <-> H^2}}} 水素原子が放出されたSi基板(Si-ゲート絶縁膜界面)に界面準位が形成され、pMOS FETの動作時には、正電荷を捕獲して正に帯電し絶縁膜中に生成した正の固定電荷と共にトランジスタの閾値電圧(Vth)の変動やドレイン電圧の低下を引き起こす。 製造プロセスにおいては、酸化膜厚に依存性が有ることが判明している。また、N H B などの不純物濃度やプロファイルと密接に関係し、窒素(N) を多く含むゲート絶縁膜(SiON , SiN)で劣化量が大きくなるとされている。
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