損傷と寿命
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/26 21:38 UTC 版)
レールの損傷は製造時の材質欠陥などによる先天的なものと、敷設後の車両荷重などによる後天的なものに大別される。 レールは輪重を直径10 mm(ミリメートル)を楕円形状した接触面で支えており、1GPa (ギガパスカル)に及ぶ応力が発生してレール表面が変形する中で車輪が通過することで、レールに様々な損傷が発生する。こうした転がり接触によるレールの損傷には「レールシェリング」「きしみ割れ」「空転傷」「摩耗」が発生する。レールの劣化メカニズムを解明するために有限要素法が有用であり、スーパーコンピューターを用いた大規模な並列計算によってシミュレーションする技術の開発が進められている。 レールには寿命があり、レールを取替えることでレールの性能を維持させる。50 kgレールでの摩耗によるレールの取替えは、高さで約15 mm、断面積で約20 %を許容限度としている。普通は10年 - 25年を標準として取替えているが、急曲線かつ輸送密度の高い区間では1年足らずで取替える場合がある。また、通過トン数では、2 - 5億トン位がレール交換の目安とされている。
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