割竹形連房式登窯
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/12/06 06:24 UTC 版)
割竹形連房式登窯(waritake kiln)とは、側壁が直線的で一基の窯の内部が複数の焼成室に分割されているものである。焼成室間の段差が少なく、通焔孔は粘土を巻いたり、石を四角柱状に加工したものを柱にしていた。 割竹形連房式登窯は岸岳地区が中心であったが、現在の伊万里市周辺にも散在的に造られた。全長10 - 20メートル前後で焼成室は、10室程度と小規模であった。一方、美濃の元屋敷窯は発掘調査時に残存部分のみでも24.7メートル、少なくとも焼成室を14室持っていたことが分かっている。 割竹形連房式登窯の通焔孔は、横サマとか斜めサマと呼ばれる真横や斜めに焼成のために用いられる高温のガスを通す仕組みになっていて、サマの後ろに浅いが明確な掘り込みがあるのが特徴で、焼成室同士の段差は少ない。 17世紀初頭に美濃の加藤四郎右衛門景延がこの割竹形連房式登窯による陶器の製法を学んで美濃へ持ち込んだのが織部窯として知られる元屋敷窯(現土岐市泉町久尻)である。これが美濃での連房式登窯による陶磁器生産の始まりである。
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