割線と接線
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/10 07:53 UTC 版)
曲線上の適当な点 P において接線が存在するときには、割線はその点における曲線の接線を近似するのに用いることができる。曲線上の二点 P, Q から定まる曲線の割線について、P は固定して Q だけ動かすものと仮定する。Q が曲線に沿って P に近づくとき、割線の傾きが一定の値に近づくならば、その極限値によって点 P における接線の傾きが定まり、割線 PQ は接線に限りなく近づく。微分積分学において、これが微分係数の幾何学的な定義である。 さて点 P における接線はその曲線の割線にもなり得る(点 P における接線が接点以外でその曲線と少なくとも一つの交点を持つときはそうである)。このようなことが起きる理由として、「接線である」ことは曲線上の接点 P のごく小さな近傍にだけ依存する「局所的」性質であるのに対して、「割線である」ことはその曲線を与える函数の定義域全体を調べなければならない「大域的」性質であるということを理解するのがよい。
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