判定中の様子
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/19 23:47 UTC 版)
場内および中継のテレビ画面に映し出されていた入線時のスローリプレイでは、両馬の勝負はほとんど見当が付かない状態であり、着順の判断は完全に写真判定の結果に委ねられた。判定は長時間に及び、この最中、後に続く最終第12競走の発走時刻繰り下げが発表された。また、テレビ中継を行っていたNHKも放送時間を5分延長した。時間が経つにつれ、場内では「同着になるのでは」という声が上がり始め、ファンのみならず、検量室外で両陣営の様子を見守る競馬関係者からも「もう同着で良いのではないか」という声が聞かれた。判定を待つ間、馬装を解かれたウオッカとダイワスカーレットは、着順指定エリア内で前後に並ぶ形をとり、一緒にクールダウンを行っていた。 着順判定に使用される写真は通常1枚のみであるが、今回は非常に微差であったため、それぞれ別角度から撮影された3枚のスリット写真で検証された。判定に時間を要したのは、第2、第3の写真の現像に時間が掛かったためであった。そしてレース終了から13分後の15時56分、場内の着順掲示板に「14」、「7」の順に馬番が表示され、ウオッカ優勝、ダイワスカーレットがハナ差の2着で結果が確定した。 牝馬による天皇賞1・2着は、1958年のセルローズ - ミスオンワード以来、50年振りの出来事だった。その着差は数字にして2 cm、GI競走史上2番目(当時)の僅差であった。ゴール前後の様子を捉えた連続写真のうち、ウオッカの鼻先が前に出ていたのはゴールの瞬間のみだった。
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