判例としての影響
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2015/04/12 13:31 UTC 版)
「ブリッジマン・アート・ライブラリ対コーレル・コーポレーション事件」の記事における「判例としての影響」の解説
この事件は、所蔵品の複製写真の使用料に収入を頼っていた、各地の美術館や博物館に大きな波紋を広げた。もっともこの判決は、三次元の物体を撮影した写真には適用されないとみなされている。三次元の物体をどのように撮影するかには、創作性が必ず発揮されると考えられるためである。イースタン・アメリカ・トリオ・プロダクツ対タン・エレクトロニック・コーポレーション事件(2000年)の判決においても、「『単なるコピー』以上のものが反映されている写真であれば、どのようなものであれ、広い意味での著作権の適用範囲にある」と判示された。 他、連邦裁判所においてはブリッジマン事件が判例として援用されたことがあるものの、今のところ最高裁判所から特定的に援用されたことはない。その上、どの区の巡回控訴裁判所からも例証されたことがないということは、つまり法的権威の保証がない、一地方裁判所の一見解に過ぎないと見ることもできる。しかしながら、電話帳の著作物性をめぐって争われたフィースト・パブリケーション対ルーラル・テレフォン・サービス事件(1991年)の判決において、最高裁判所は、作業の困難さなどを著作権の構成要素とすることを否定しており、これはブリッジマン事件の判決の論拠のひとつとなるものである。 また、この裁判の結果、古い美術品の画像をフェアユースの抗弁に拠らず幅広く使用・再利用することが可能となった。たとえば、フリーなメディアの集積を目的とするウィキメディア・コモンズには、古い絵画のデジタルコピーが多数集められており、パブリックドメインに属するものとして扱われている。
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