初期の型式
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/12/06 14:49 UTC 版)
スリップ エキセントリック (Slip-eccentric) この弁装置は現在では模型の蒸気機関のみで使用され、蒸気ボートのような数馬力程度の低出力の趣味の用途で使用される。 クランク軸上を空回りするが軸上の突起で回転が制限される偏心カムで回転方向は手動で回転した方向に設定され、クランク軸上の突起が偏心カムを押すことで機能してその方向への回転に適したタイミングで吸気口と排気口を開閉する。回転方向を変える場合には、手動で一度停止させてから逆方向へ動かすと同様に偏心カムの位相が変わり、自律的に回転する。この形式の弁装置ではカットオフを制御できない。同様の原理で作動する弁装置としてはスリップ リターンクランクがある。1889年からロンドン・アンド・ノース・ウェスタン鉄道(英語版)のFrancis William Webb(英語版) によって設計された複数の3気筒複式機関車の1気筒低圧シリンダーにスリップエキセントリックが採用された。これらにはTeutonic(英語版)、 グレーター ブリテン(英語版)とJohn Hick級(英語版)が含まれる。 ガブギア (Gab gear) またはフックギア (hook gear) 初期の機関車に用いられた。逆転動作が可能だが、カットオフの制御はできない。
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