分離された属
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/18 06:16 UTC 版)
1990年にクリトサウルスの歴史は新たな段階を迎える。ジャック・ホーナーとデヴィッド・ワイシャンペル(en)はグリポサウルスの頭骨は部分的で不確実だとして、再びグリポサウルスを分離した。ホーナーは1992年の論文でニューメキシコで発見された2つの頭骨を記載し、これをクリトサウルスのものとし、さらにこれらがグリポサウルスのものと明らかに異なっていることを示した。しかし後年、エイドリアン・ハントとスペンサー・G ・ルーカス(en)によりこれらはそれぞれ独自の属、アナサジサウルスAnasazisaurusとナアショイビトサウルス(Naashoibitosaurus)として分離された。 1993年、アメリカの古生物学者エイドリアン・ハントとスペンサー・G・ルーカスはアナサジサウルス・ホルナリ(Anasazisaurus horneri)を命名した。属名は古代のアメリカ先住民のアナサジ(Anasazi)とギリシャ語でトカゲを意味するsaurosから派生している。アナサジは有名な岩棚居住者であり、アナサジサウルスの化石の発見地に近いチャコ・キャニオンに居住していた。この種は初め1992年に有力な古生物学者であるジャック・ホーナーにより命名された。ホロタイプ標本の頭骨(唯一の標本でもある)は1970年代にニューメキシコ州、サンファン郡でブリガムヤング大学のフィールドワークにより収集され、学内でBYU 12950として保管されていたものである。 ホーナーは初め、標本BYU 12950をKritosaurus navajoviusとしたが、 ハントとルーカスはクリトサウルスのタイプ標本は限定的で識別できる特徴がないとして、クリトサウルスを疑問名(nomen dubium)と判断した。そして標本BYU 12950は独自の特徴を持ち、クリトサウルスと明確な固有の特徴を共有しないとして、新たな属名があたえられAnasazisaurus horneriとなった。この変更は複数の研究者から支持を得たものの、反論もあり、特にトーマス・E・ウィリアムソンはホーナーによるクリトサウルスとする案を支持した 。そして後続の研究により双方とも独自の属であると認識された。 2013年に発表されたアルベルト・プリエト・マルケスによるこれまでにクリトサウルスとされた標本についての研究では、ナアショビトサウルスについては独自の属として維持されたものの、クリトサウルスのタイプ標本とアナサジサウルスの標本に関しては双方に共通する部分の化石を比較した結果、区別できなかった。そしてアナサジサウルスはクリトサウルスのシノニムであるが、種としては区別できるとしてK. horneriとした。
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