冤罪被害の問題点
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/13 14:30 UTC 版)
社会復帰の困難性 これらの問題は、逮捕された時点で、あたかも犯罪者であるかのように扱うマスメディアの影響もある。 2000年代に無罪の確定判決が相次いだため、東京地方裁判所は、痴漢被疑者の勾留令状を原則認めていない。東京地裁は被疑者に「事件があった路線を利用しない」誓約書への署名を求め、被疑者が署名した場合は、警視庁からの勾留請求を棄却している。 虚偽申告 被害者や周囲による行為の有無の錯誤や加害者の錯誤ではなく「痴漢でっち上げ」の事例もあり、警察庁長官吉村博人は記者会見で「極めて少数だが、痴漢被害を偽装する女性が存在する」と認めている。 中には男性に多額の示談金を要求するケースもある。 故意に痴漢に仕立て上げるケースでは男性共謀者が存在したり(いわゆる美人局行為)、主犯が男性の場合も多い。2008年には大阪市営地下鉄御堂筋線痴漢捏ち上げ事件があり、容疑者の女が大阪地方裁判所で懲役3年執行猶予5年の判決を受けた。なお、この行為を指図し目撃証言を偽って申告した交際相手の男は、同地裁にて懲役5年6か月の実刑判決を宣告された。この事件は実行犯の女が自首したことで発覚したものである。 また2017年6月には、大阪市営地下鉄堺筋線の車内で共謀の女に対し、わざと痴漢をさせて被害をでっち上げたとして、21歳の男が逮捕監禁と虚偽告訴の疑いで逮捕された。この男は女に「示談金をもらう良い稼ぎ方がある」と話を持ちかけインターネットの掲示板に「痴漢してほしい」などと書き込ませ、誘いに乗って実際に痴漢した男性を、大阪府警察に突き出した。男は容疑を否認している。女は同容疑で逮捕の後、釈放。 検挙のための検挙 痴漢被害者が、痴漢加害者が誰か正確に認識できず、告訴をためらっていた場合でも「警察が責任を持つ」「後戻りはできない」と、警察官が被害者に告訴を強要する場合もある。 推定無罪の原則 本来、刑事裁判における犯罪の証明には、捜査機関が「被告人が犯罪をした証拠」を提出する必要がある。 1審で有罪になると、新証拠が出されないと無罪になりにくい。
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