写像の構成
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/11/19 03:10 UTC 版)
核の間の写像と余核の間の写像は、図式の可換性によって、与えられた(水平の)写像から自然な方法で誘導される。2つの誘導された列の完全性はもとの図式の行の完全性から直ちに従う。補題の重要なステートメントは、完全列を完成させる連結準同型 d が存在するということである。 アーベル群やある環上の加群の場合、写像 d は次のように構成できる。ker c の元 x をとり、それを C の元と見る。g は全射なので、ある B の元 y が存在して、g(y) = x である。図式の可換性によって、 g ′ ( b ( y ) ) = c ( g ( y ) ) = c ( x ) = 0 {\displaystyle g'(b(y))=c(g(y))=c(x)=0\!} であり(なぜならば x は c の核に属しているから)、したがって b(y) は g' の核に属している。下の行が完全なので、A' の元 z が存在して、f '(z) = b(y) である。z は f ' の単射性によって一意である。そこで d(x) = z + im(a) と定義する。さて次のことを確認しなければならない。d は well-defined である(すなわち d(x) は x にのみ依り、y の取り方によらない)こと、d は準同型であること、そして得られる長い列が実際に完全であること。 それが為されれば、定理はアーベル群や環上の加群に対して証明される。一般の場合には、議論は元の代わりに射や cancellation の性質の言葉で言い直されるであろう。あるいは、ミッチェルの埋め込み定理の助けを借りてもよい。
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