内野2階スタンド
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/02 04:44 UTC 版)
「広島市民球場 (初代)」の記事における「内野2階スタンド」の解説
本球場の大きな特徴が「増設された内野2階スタンド」であった。1980年代に入って内野席の拡幅が検討され始めたことに伴って、それによる座席数の減少を防ぐため、内野2階スタンドの増設が決まった。 しかし、1層式のスタンドの球場が主流の日本で、後になって2階スタンドが1階スタンドの上に増築された例は他に無い。建設当初の設計には、2階スタンドの増設に必要な建物強度など織り込まれていないためである。本球場では、2階スタンドと既存スタンドの基礎部分を建物剛性面を配慮したことにより一体化し、さらに予想される重量増による地盤沈下に対応するため、基礎の設置面積を拡大すること等、様々な工夫を凝らすことで対応した。1985年から、オフシーズンを工事期間とし、約2年の歳月をかけて、1987年に2階スタンドは完成した。 内野2階スタンドは、従前からの1階スタンドを通過しないと辿り着けないアクセス面の不備や、最前列に設けられた横通路を行き交う観客でグラウンドへの視界が遮られることや、既存スタンドの強度が配慮された結果、重量がかさむ屋根が設置できなかったことなどから人気は低迷した。客席稼働率は25%程度にとどまり、さらに値段が高いバックネット裏付近のA指定席にいたっては17%程度しか売れず、カープ球団は後々まで集客に苦労することになる。元々1層式スタンドとして設計された球場であったため、改修にも限界があった。 こうした教訓は、後のマツダスタジアムのコンコースを中心としたアクセス面の設計に反映された。 2階スタンド 2階スタンド A指定席からの眺め
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