内分泌攪乱化学物質問題
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/17 08:37 UTC 版)
「食品用ラップフィルム」の記事における「内分泌攪乱化学物質問題」の解説
かつて1990年代には使用されている可塑剤が内分泌攪乱化学物質(いわゆる「環境ホルモン」)であるとして、食品に触れることから消費者に拒否感も見られ、こといわゆるポリ袋が油を含んだ食品の加熱時に油中にそれら物質が溶出し易くなることが指摘され、内分泌撹乱化学物質の問題が社会問題として扱われたことから、食品用ラップフィルムにも疑惑の目が向けられた。 ただ日本ビニル工業会によれば、ポリ塩化ビニルでも食品用ラップフィルムには当初よりSPEED'98(「内分泌攪乱作用を有すると疑われる化学物質」旧環境庁1998年5月作成)に挙げられた可塑剤は用いられていなかったという()。かつては製造過程でノニルフェノールが生成され、これが内分泌撹乱物質の疑いも持たれていたが、2000年2月よりはこれを生成しないPVC製法に改められて2009年にはノニルフェノールが検出されなくなったとしている。 また、ポリエチレンを使用しているラップは、「燃やしてもダイオキシンが発生しません(塩素系ラップは高温で燃焼させないとダイオキシンが発生する)」と銘打って販売されている製品が多い。食品安全委員会では、オーブンや電子レンジのオーブン機能の使用について注意を促している。ラップフィルムが破れたり、溶けて食品に入ったりする場合があるため、耐熱・耐冷温度を明示している。 欧州連合(EU)では、食品に接触するプラスチック製品に使用できる化学物質のリスト(ポジティブ・リスト)が法律で定められている。米国では、食品に接触する材料から溶出する物質も食品添加物とみなされ、食品に直接添加する食品添加物と区別して、間接食品添加物と定義される。食品添加物とされたものは市場流通の前にアメリカ食品医薬品局(FDA)の許可を取得する必要性が生じる。
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