サイバースペースの原理
(共通性の原理 から転送)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2012/05/24 06:43 UTC 版)
サイバースペースの原理(サイバースペースのげんり)とは、M. ベネディクト (Benedikt)[1] によって記述されたサイバースペースが満たすべき、つぎのような 7 つの要件 (西尾ら[2]の訳にもとづく) のことである。
- 排他の原理 (Principle of Exclusion)
- 空間内で同じ時間、同じ場所に、2 つのものを置くことはできない。
- 最大排他の原理 (Principle of Maximal Exclusion)
- サイバースペースを構築する際には、空間の構成要素のさまざまな属性のうち、排他の原理をできるだけ犯さないような属性を選んで空間を構成する軸とする。
- 不偏の原理 (Principle of Indifference)
- 時間は、ユーザがアクセスしているかどうかに依存せず、不偏に進んでいく。 ユーザにとって思い通りにいかないことがあるからこそ、それだけリアリティを感じるものである。
- スケールの原理 (Principle of Scale)
- ユーザの動きの最大速度は、そのユーザに見える世界が複雑になればなるほど、小さくすべきである。
- 交通の原理 (Principle of Transit)
- 2 点間の移動は、間に存在するすべてのポイントを経由して行い、移動距離に応じたコストを付与しなければならない。
- 個人の可視性の原理 (Principle of Personal Visibility)
- 自分の周りにいるユーザはかならず見えるようにし、逆に自分の姿は周りにいるユーザから見えていなければならない。
- 共通性の原理 (Principle of Commonality)
- ある人が見える空間やものは別の人からもそれに対応するものとして相応に見えなければならない。
参考文献
- ^ Benedikt, M. (ed),"Cyberspace ― first steps", MIT Press, 1991. 邦訳: ベネディクト、M. (編),"サイバースペース", NTT 出版, 1991.
- ^ 西尾 章治郎、岸野 文郎、塚本 昌彦、山本 修一郎、石田 亨、川田 隆雄,"相互の理解", 岩波講座 マルチメディア情報学 12、岩波書店、1999.
関連項目
共通性(類似性)の原理
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「色彩調和論」の記事における「共通性(類似性)の原理」の解説
ジャッドはもし2つの塗料の色が不調和であれば、それぞれを別の同じ塗料と混ぜることで共通性が生まれ、不調和には見えなくなるとした。つまり似た要素を持つ配色は調和するという考え方である。調和にはある程度の共通性が必要という考えで、最も基本的な色彩調和の理論だといえる。 化学者のミシェル=ウジェーヌ・シュヴルールは著書『色彩の同時対比の法則とこの法則に基づく配色について』(1839年)の中でゴブラン織製作所で発見した色彩調和に関する法則を発表した。その調和論は「類似の調和」と「対比の調和」の2つに大きく分けられ、さらに以下の6つに細かく分けられる。 類似の調和1 - おおよそ同一の色相の色は、明度・彩度が異なっても調和する。 類似の調和2 - 隣接する色相は、明度・彩度が近い色は調和する。 類似の調和3 - 着色ガラスを通して見たような共通の色成分がある色は調和する。 対比の調和1 - 同一の色相で明暗が対照的な色は調和する。 対比の調和2 - 隣接の色相で明暗が対照的な色は調和する。 対比の調和3 - 対照的な色相で、明度・彩度が対照的な色は調和する。 夫婦で色彩学者のムーンとスペンサーは1944年にアメリカ光学会から発表された3部構成の論文で、それ以前に発表された調和論を研究してまとめた。特にシュヴルールの考え方を踏襲し、数値化したものとして知られている。2色配色においてはマンセル表色系の色相を基準とし、色相差0(0度)を「同等の調和」、色相差7~12(25~43度)を「類似の調和」、色相差28~50(100~180度)を「対比の調和」と3つの調和領域を設定しており、それ以外は「あいまいな領域」とした。3色以上の場合は幾何学模様を構成することが調和の条件としている。調和の計算式化を試みたが、実用化は困難だとされた。 その他に、芸術家のロバート・ドアは色を「黄みがかった色(イエローアンダートーン)」と「青みがかった色(ブルーアンダートーン)」、作家のファーバー・ビレン(英語版)は暖色(ウォームシェード)と寒色(クールシェード)にそれぞれ分け、それぞれのグループ内の色は調和すると説いた。この考え方はともに、パーソナルカラーの考え方として引き継がれている。
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