共変基底(Covariant basis)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/02 01:23 UTC 版)
「直交曲線座標」の記事における「共変基底(Covariant basis)」の解説
カルテシアン座標では、基底ベクトルは固定(一定)である。より一般的な曲線座標では、座標によって空間の点が指定され、そのような点ごとに基底ベクトルの集合が束ねられるが、それは一般に一定ではない。直交曲線座標の特徴は、基底ベクトルが変化しても、互いに対して常に直交していることである。言い換えれば e i ⋅ e j = 0 if i ≠ j {\displaystyle \mathbf {e} _{i}\cdot \mathbf {e} _{j}=0\quad {\text{if}}\quad i\neq j} これらの基底ベクトル「ある座標を変化させ,他の座標を固定して得られる曲線の接ベクトル」として定義される。即ち、 e i = ∂ r ∂ q i {\displaystyle \mathbf {e} _{i}={\frac {\partial \mathbf {r} }{\partial q^{i}}}} ここで 'r は何らかの点を表し、q i は基底ベクトルを抽出した座標である。つまり、1つの座標以外を固定して曲線を得、固定しない座標をパラメトリック曲線のように変化させ、パラメータ(変化する座標)に対する曲線の微分を、その座標の基底ベクトルとする。 なお、ベクトルは必ずしも等しい長さとは限らない。座標のスケールファクターとして知られる便利な関数は、単に基底ベクトル e ^ i {\displaystyle {\hat {\mathbf {e} }}_{i}} の長さ h i {\displaystyle h_{i}} (下表参照) である。スケールファクターはLamé coefficientsと呼ばれることもあるが、Lamé parameters (solid mechanics) と混同しないように注意のこと。 単位ベクトル(正規化基底ベクトル)をハット付きで表記し、これは、上記の e ^ i {\displaystyle {\hat {\mathbf {e} }}_{i}} を、その長さで割ることで得られる。 e ^ i = e i h i = e i | e i | {\displaystyle {\hat {\mathbf {e} }}_{i}={\frac {{\mathbf {e} }_{i}}{h_{i}}}={\frac {{\mathbf {e} }_{i}}{\left|{\mathbf {e} }_{i}\right|}}} ベクトル場は「基底ベクトル」( e ^ i {\displaystyle {\hat {\mathbf {e} }}_{i}} ) に対する成分で指定される場合と、「正規化された基底ベクトル」( e ^ i {\displaystyle {\hat {\mathbf {e} }}_{i}} ) に対する成分で指定される場合があり、どちらの場合を指しているのかを確認する必要がある。正規化基底の成分は、数量を明確にする目的では最も一般的に使われる。(例えば、接線速度にスケールファクターをかけたものではなく、接線速度を扱いたい場合がある)。しかし、微分する場合にはより複雑になるため正規化基底はあまり一般的に使わない。
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