健康問題と毒性
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/05 01:17 UTC 版)
単体ホウ素、酸化ホウ素、ホウ酸、ホウ酸塩および多くの有機ホウ素化合物は、急性毒性に限って見ると、ヒトおよび動物にとっては食塩と同程度に無毒である。動物に対する半数致死量 (LD50) は体重1 kgあたりおよそ6 gであり、LD50が体重1 kgあたり2 g以上となる物質は一般に無毒であるとされている。ヒトに対する最小致死量ははっきりとしていない。事件を除く1日4 gのホウ酸の摂取は報告されているが、それを超える量の摂取では有毒であると考えられている。50日間継続して1日0.5 g以上のホウ酸を摂取すると下痢など消化器系の不良が生じ、ほかの毒性も示唆される。中性子捕捉療法のために行われるホウ酸20グラムの単回投与では、著しいほかの毒性が生じることなく使用されている。魚類は飽和ホウ酸溶液中で30分間生存することができ、ホウ酸ナトリウム溶液中ではより長く生存できる。ホウ酸は、昆虫に対しては動物に対してよりも毒性が強く、通常殺虫剤として利用される。 ボランのような水素化ホウ素やそれに類似したガス状の化合物は毒性を示す。ホウ素自体はほかの単体ホウ素やホウ素化合物と同様に本質的には有毒ではないが、その毒性は化学構造に起因する。 ボランは可燃性かつ有毒であるため、取り扱いには特別な操作が必要となる。水素化ホウ素ナトリウムは強い還元性を持つ物質であるため、水や酸、酸化剤などと反応して火災や爆発を起こす危険性がある。ハロゲン化ホウ素は腐食性を有する。
※この「健康問題と毒性」の解説は、「ホウ素」の解説の一部です。
「健康問題と毒性」を含む「ホウ素」の記事については、「ホウ素」の概要を参照ください。
- 健康問題と毒性のページへのリンク