個体群レベル
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2017/11/08 01:59 UTC 版)
個体群レベルの移植とは、ある種の生物を本来の生息地から人為的に別の生息地に移しかえてその場所での繁殖を図ることである。 植物では農業や園芸における栽培植物の大部分は他国からもたらされたものである。それらは主として人間管理下の場所で繁殖させることのみを目的とするので、それ自体はこの意味での移植とは言えないが、多くの場合、そのような植物やそれに付随して移動させた植物が野外に出て帰化植物となる。つまり意図せぬ移植を行っている。意図的に移植する場合もある。牧草などは管理下の土地とはいえ、非常に開放的な場所であるし、範囲外への逸出もある程度期待する。 魚類では、資源増大を目的とした移植放流や、あらたな食料源とするための移植がある。また、ダムの建設などによる環境悪化から避難させるための移植事例もある。また、害虫や害獣の天敵を持ち込んで防除のために放すのもこの一つである。 しかし、生存力が強い生物を他地域へ移植した場合、在来の生態系を破壊することがある。例えば、アフリカのビクトリア湖に移植放流されたナイルパーチがビクトリア湖に固有だった多くの魚種を食べ尽くして絶滅させた事例がある。 有用種の移植以外にも、開発の際に珍しい生物が発見された場合に、生物保護などの観点からその生物を別の場所に移植することもある。20世紀末頃から自然環境に対する関心が高まり、このような事例も増えている。
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