個体老化
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/26 07:14 UTC 版)
遺伝的な要因による早老症として、ヘリカーゼ遺伝子を原因とするウェルナー症候群・ブルーム症候群 (Bloom syndrome) 、DNA修復に関連するキナーゼ遺伝子ATMを原因とする毛細血管拡張性運動失調症、ゲノム損傷修復の関連遺伝子を原因とするナイミーヘン症候群 (Nijmegen breakage syndrome) などが知られている。これら早老症患者の細胞では分裂寿命が短くなりテロメア短縮も早まる事例があるとする報告や、さまざまな早老症がテロメア短縮と関連しているとする報告がある。これら遺伝子群のDNA修復機能とテロメア長の維持との正確な関連は判明しておらず、個体老化(早老症)とテロメア短縮との関連について研究が進められている。 テロメラーゼを利用した療法が、ヒトの老化を回避して寿命を延長させることにも使われると考える医師もいる。しかしながら、テロメラーゼの活性化には、細胞老化防止の可能性と、正常細胞のガン化の一因となり個体寿命の短縮化をもたらす可能性があることの両面が指摘されており、アンチエイジングへの応用についての評価は定まっていない。
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