個体群への広がり
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/01/13 21:42 UTC 版)
ある遺伝子をもつ個体の数は、世代を経るごとに倍以上には決してならないので、単一の個体に導入された遺伝子ドライブが、個体群のかなりの割合に広がるまでには数十世代を必要とする。 しかし、遺伝子ドライブをもつ生物を数多く放つことで、数世代で個体群に広げることができる。例えば、千個体に1個体、遺伝子ドライブを持つ個体を放つと、全ての個体に遺伝子ドライブを広げるのに12~15代がかかる。遺伝子ドライブが最終的に個体群集団中に固定されるかどうか、または遺伝子ドライブが集団に広がる速度は、個体の生存率に対するその遺伝子の効果、対立遺伝子を変換できる効率、個体群の構造に依存している。 集団遺伝学による予測によると、よく混合された集団における、対立遺伝子を変換する現実的な効率(約90%)のもとで、遺伝子ドライブは選択係数が0.3よりも小さいときに固定される; 言い換えれば、遺伝子ドライブは有益な遺伝子改変だけでなく、有害なものであっても、繁殖成功率が30%以上減少しなければ、集団内に拡散されていく。これは、普通の遺伝子と対照的であり、普通の遺伝子は、有益な場合にのみ、集団に広がる可能性がある。
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