俳画とは? わかりやすく解説

はい‐が〔‐グワ〕【俳画】

読み方:はいが

日本画の一。俳諧味のある略筆淡彩画または墨画蕪村作品など俳諧画。


俳画

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/18 07:48 UTC 版)

蕪村 「岩くらの狂女恋せよほとときす」自画賛

俳画(はいが)は、俳句を賛した簡略な絵(草画)のこと[1]。一般には俳諧師の手によるものであり[2]、自分の句への賛としたり(自画賛)、他人の句への賛として描かれるが、先に絵がありこれを賛するために句がつけられる場合や、絵と句が同時に成るような場合もある[3]。さらに敷衍して、句はなくとも俳趣を表した草画全般をも指す言葉としても用いられる[3]。「俳画」という呼称は渡辺崋山の『全楽堂俳諧画譜』にはじまるとされており、それ以前の与謝蕪村などは「俳諧物の草画」と称していた[3]

歴史

俳画の創始者には諸説あるが、一般に『立圃筆休息歌仙図』などの野々口立圃が知られている[4]。しかしそのルーツは中世の詩画軸にもとめることもでき、例えば渡辺崋山が俳画様式の祖とする松花堂昭乗は、牧谿の画風を受け継いで俳趣のある絵をものし、立圃への影響も指摘されている[3]

談林俳諧においては井原西鶴も「画賛十二ヶ月」など俳画の連作を作っている。松尾芭蕉も俳画を残しており、一蝶、許六との合作などもあるほか、芭蕉の門人も多くが俳画をよくした[3]。また芭蕉の没後には、他の俳人らによる芭蕉顕彰の俳画が多数描かれている[5]

近世後期には、文人画の大成者であり、写生的な句をものした与謝蕪村が『おくのほそ道図屏風』や『若竹図』などを描き、俳画を芸術の様式として完成させた[6] 。文化文政期には、渡辺崋山のように画家としての経歴をもつものが俳画を描く一方、小林一茶らは素人らしい素朴な俳画を残している[3]

近代には正岡子規が、素朴な草花の水彩画を句に配し、その門人も俳画をよくしたが、以後俳画を手がける俳人は減少していった[3]

俳画作家の例

芭蕉古池や蛙飛びこむ水の音」(横井金谷画)

脚注

関連文献

  • 『俳画粋伝-江戸の風韻』 瀬木慎一 (美術公論社、1988年)

俳画

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/03/13 00:42 UTC 版)

彭城百川」の記事における「俳画」の解説

百川句集本朝八僊集』に水墨による草画挿図している。また八仙堂・八僊などの別号自画自賛した画軸を多数残した。これらのことから画俳として最高位数えられている。のちに百川敬慕する与謝蕪村百川草画学び発展させて、俳画と命名しその画風確立した南画という中国志向俳諧という日本趣味同時に両立させた百川蕪村によって和漢折衷の俳画が登場したのである百川落款入れる際、俳画は主に法橋烙印を、南画では多く場合中国名風に3文字落款入れている。 宝暦2年夏、京都にて没する享年56

※この「俳画」の解説は、「彭城百川」の解説の一部です。
「俳画」を含む「彭城百川」の記事については、「彭城百川」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「俳画」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「俳画」の関連用語

俳画のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



俳画のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
デジタル大辞泉デジタル大辞泉
(C)Shogakukan Inc.
株式会社 小学館
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの俳画 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaの彭城百川 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS