信越線軽井沢 - 横川間回送機関車脱線転落事故
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/31 23:16 UTC 版)
「日本の鉄道事故 (1950年から1999年)」の記事における「信越線軽井沢 - 横川間回送機関車脱線転落事故」の解説
1975年(昭和50年)10月28日 信越本線軽井沢 - 横川間上り線で、単行機関車列車(回送列車)列車番号単5462列車(4両編成、EF63 5, 9+EF62 12, 35)が下り勾配でブレーキが利かなくなり、スピードが超過したため、曲線トンネル内で脱線して、トンネル出口先で築堤下へ転落した事故。乗務員3名が重軽傷を負った。事故機は4両とも現場で解体され廃車となった。このうち、EF63については24・25号機が代替製造されたが、EF62については汎用機のEF81の代替製造で対応している。 事故がおきたのは、午前6時16分ごろ。信越線上り線第一トンネル内で過速度により車体傾斜してトンネル内壁と接触しながら降坂し、出口付近で脱線した後、転覆・転落した。この区間は、最大66.7 ‰の急勾配、R350の右カーブのため、下り勾配を走行するEF63は、発電ブレーキという抑速ブレーキを使用して、列車速度を一定に保ちながら降坂走行する。その際にすべての列車は、過速度検知装置 (OSR) によって最高速度を旅客列車40 km/h、貨物列車25 km/hに制限されており、機関車の回送列車である当該列車は貨物列車と同じ扱いで25 km/hの制限によって走ることになっていた。ところが何らかの原因でこのOSRが正常に作動しなかったものと見られ(機関士が誤って旅客列車側にスイッチを入れていたとの説もある)、制限速度を大幅に超過して坂を下り、トンネル内壁に傷をつけるなど暴走した後に脱線・転覆した。 この事故により、EF63全車両に設置されているOSRをより強固なものに変更する検討がなされたが、過密ダイヤをさばくには横川駅付近の緩勾配区間を速やかに通過することが求められた(この付近ではOSRを切って運転される)ため、強制的な速度制限機能の付加は見送られる。ただし、この区間において類似の事故は、これ以降1997年の廃止まで一切発生しなかった。
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