信仰・位置づけ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/03 07:42 UTC 版)
『観音経』などに基づいて広く信仰・礼拝の対象となっている。また、『般若心経』の冒頭に登場する菩薩でもあり、般若の智慧の象徴ともなっている。浄土教では『観無量寿経』の説くところにより阿弥陀如来の脇侍として勢至菩薩と共に安置されることも多い。観音菩薩は大慈大悲を本誓とする。中国では六朝時代から霊験記(傅亮『光世音応験記』、張演『続観世音応験記』、陸杲『繫観世音応験記』)が遺され、日本では飛鳥時代から造像例があり、現世利益と結びつけられて、時代・地域を問わず広く信仰されている。 観音の在す住処・浄土は、ポータラカ(Potalaka、補陀落)といい、実叉難陀訳『大方広仏華厳経』と般若訳『大方広仏華厳経』には、南インドの摩頼矩吒国の補怛洛伽(Potalaka)であると説かれる。 偽経『観世音菩薩往生浄土本縁経』によると、過去世において長那(ちょうな)というバラモンの子の早離(そうり)であったとされる。彼には速離(そくり)という兄弟がおり、のちの勢至菩薩だという。早離と速離は騙されて無人島に捨てられ、餓死したが、早離は餓死する寸前に「生まれ変わったら自分たちのように苦しんでいる人たちを救いたい」と誓願を立てたため、観音菩薩になったという。なお、父の長那は未来に釈迦として生まれ変わった。
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