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かじんのきぐう【佳人之奇遇】


佳人之奇遇(抄)

作者東海散士

収載図書福島県文学全集 第1期(小説編) 第1巻(明治編)
出版社郷土出版社
刊行年月2001.10


佳人之奇遇

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/10/13 19:02 UTC 版)

佳人之奇遇(かじんのきぐう)は、東海散士(柴四朗)の政治小説。初編は1885年明治18年)に刊行され、その後1888年までに四編まで刊行された。その後、国会開設後の1891年に五編が、日清戦争後の1897年に六編から八編まで刊行された。全16巻(未完)。

内容

アメリカに渡った会津の遺臣・東海散士と、フィラデルフィアの独立閣でのアイルランドの美女紅蓮(コーレン)、スペインの貴女幽蘭(ユーラン)との出会いに端を発し、後に中国明朝の遺臣も加わる。いずれも亡国の憂いを抱き、権利の回復運動に進もうとするかれらの交情が描かれる。なお、同話ではハンガリーコシュートが亡国の代表として各編に登場する。

東アジア経営に関する意見、世界の地誌、世界史への注釈などが加わり、前半では小国が大国に依存した状態では民族的解放ができないこと、小国の国民は国を守る気力を持たなければならないこと、小国同士が手を取り合って協力すべきであると説かれている。

後半では、作者自身が随行した谷干城ヨーロッパ視察旅行時の体験が混ざり、また金玉均との交友から朝鮮半島をめぐる議論や日清戦争後の三国干渉をめぐる議論が作品の主軸を占めるようになり、佳人の面影は作品からは遠ざかっていく。

翻訳

書誌情報

岩波書店刊『新日本古典文学大系 明治編17 政治小説集2』2006年(ISBN 4-00-240217-7)に収録。

参考文献

  • 柳田泉「『佳人之奇遇』と東海散士」『明治文学叢刊 政治小説研究 上』春秋社・松柏館、1935年。
  • 田代文雄 「『佳人之奇遇』と日本の東欧認識」日本東欧関係研究会編『日本と東欧諸国の文化交流に関する基礎的研究』1982年。
  • 大沼敏男「『佳人之奇遇』成立考証序説--慶應義塾図書館蔵稿本と刊行本」岩波書店『文学』1983年9月。
  • 井上弘「東海散士柴四朗の『佳人之奇遇』と『東洋之佳人』」『静岡女子大学研究紀要』21号、1989年。
  • 井上弘「東海散士柴四朗『佳人之奇遇』の研究」(同著『近代文学成立過程の研究--柳北・学海・東海散士・蘇峰』有朋堂、1995年)。
  • 南塚信吾「日本人と東ヨーロッパ」(同編『叢書東欧1 東欧の民族と文化』彩流社、1989年,ISBN 4882021374)。
  • 南塚信吾 「『佳人之奇遇』における東ヨーロッパ」千葉大学社会文化科学研究科研究プロジェクト報告書第4集『ハンガリーにおける諸外国認識の史的研究』1998年。
  • 井田進也「東海散士『佳人之奇遇』合作の背景--慶應義塾図書館所蔵稿本を読む」学燈社『國文学 解釈と教材の研究』1999年10月。
  • 高井多佳子「東海散士著『佳人之奇遇』の成立について」『京都女子大学大学院文学研究科研究紀要 史学編』3号、2004年。
  • 竹内加奈「「敗者」のナショナリズム--東海散士『佳人之奇遇』を通じて」同志社大学人文科学研究所『社会科学』43巻4号、2014年。

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