作者クノーと『ザジ』
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「地下鉄のザジ」の記事における「作者クノーと『ザジ』」の解説
『地下鉄のザジ』は、クノーが戦後に出版した小説のうち、『人生の日曜日』、『青い花』と並んで、作者自身が生きた20世紀パリという現実世界を対象としつつ、新しい小説形式を追求した作品である。 クノーはシュルレアリスム運動に参加した後に小説家となり、1933年に『はまむぎ』でデビューした。以降、小説と詩集を合わせて10冊以上を刊行しており、とりわけ『文体練習』で注目を集めていた。作家活動と並行して、ガリマール出版社の編集者としてプレイヤード版『百科全書』シリーズを手掛け、翻訳者としてもナイジェリアの作家エイモス・チュツオーラの作品やジョルジュ・デュ・モーリエの英語小説を紹介、さらには振付師ローラン・プティのためにバレエ作品『ダイヤモンドをかじる女』のシャンソンを提供するなど、活動は多岐にわたっている。1951年には、ゴンクール賞を選出するためのゴンクール・アカデミーの会員として迎え入れられていた。 すでに高踏的な前衛小説の旗手として文壇の一部で高く評価されていたクノーが1959年に発表したのが『地下鉄のザジ』(以降、『ザジ』とも表記する。)であり、クノーは10年以上前からこの小説の構想を練っていた。 この作品がベストセラーとなり、さらに翌年映画化されて人気を博したことで、クノーの名は広く知られることとなり、『ザジ』はフランス小説に新風を吹き込む記念碑的作品と評価された。
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