作戦上の問題
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/05 06:38 UTC 版)
連合軍による多数の民間人の死はワーイガルの住民の間にターリバーンへの共感を巻き起こし、クアムへの移動を許した。事件の2日前にカーブルで長老やマリクの代表団が陳情を行ったが、アフガン大統領ハーミド・カルザイが対応に失敗した事も住民を更に動揺させた。 連合軍は他の危険の兆候に気づいていた。例えば攻撃の前日、ワナトの「スピン・ギリス」(影響力のある部族長老)は監視所の担当職員を出席させずにジルガ(クアムの長老コミュニティ議会経験者の男性議員が出席権を持つ)を開催した。更に村民達は監視所の近くの空き地に排水を頻繁に流し始めたが、これは村内へ移動する民兵を隠すためだったと思われる。 2009年のアメリカ陸軍の報告書は軍基地に対する補給や設備、飲み水の欠如に言及して、旅団指揮官のチップ・プレイスラー大佐や大隊指揮官のウィリアム・オストランド中佐を批判した。同時に報告書は砲火の下で行われた部隊の素晴らしい任務遂行にも言及した。 報告書は更に「TF Rockが推奨した非常に活動的な接近の取り組みは、アメリカ陸軍とワーイガル住民の関係を急速かつ必然的に劣化させた」として、関係する指揮官達の行動は軍事目標に対して逆効果だったと批判した。 報告書は第173空挺旅団(TF Bayonet)の第503歩兵連隊第2大隊(TF Rock)の作戦手法を否定的に描いたが、2008年3月に出版されたデイビッド・キルキュレンの「The Accidental Guerrilla」は擁護している。 国全体の治安が下降傾向なのにクナル州の治安が急激に良くなったのは、アメリカの一貫した戦略の結果である。アメリカは地方社会と連携して大衆と反乱軍を分離し、統治と開発の利益を大衆に実感させ、選挙を通じて自分の地方のハーン(通常は軍事的な問題における保護者)を選ぶ手助けをした。 アメリカ軍の元クナル州指揮官はウィリアム・オストランド中佐に関して「ビル・オーは、大衆に対する連合の作戦効果が主要な問題であることを深く理解していた」と発言した。
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