マリクとは? わかりやすく解説

マリク

名前 MalikMarcMaríc; Melik

マリク

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/02/04 06:15 UTC 版)

マリクアラビア語: ملك‎, malik, マリク、複数形: ملوك, mulūk, ムルーク)は、アラビア語を意味する名詞ならびに称号で、イスラム圏で人名としても使われる。

女性形はマリカアラビア語: ملكة‎, malikah ないしは malika)となり、女性が王位に就く慣習のない現代のイスラム圏ではもっぱら「王妃」を意味するが、古代の中東に複数存在した女王(女性統治者)や非イスラム諸国の「女王」については「マリカ」と表現するのが一般的である。

なお、定冠詞付きのアル=マリクالملك, al-Malik)はアッラーフの99の美名のうちの1つである。

マリクの称号

マリクとは一般的に支配者という意味で、中東における君主号のひとつである。クルアーンにおいて「神のみが王である」という記述がある一方で、イスラム教預言者ムハンマドの死後、カリフによるアラブ一帯の統治がなされるようになると、マリクは非イスラムの支配者を意味するようになった。しかし、イスラム支配者であったウマイヤ朝のカリフは非イスラム王権を行使するが故に、ウマイヤ朝の君主はカリフではなく、マリクであるとされる。

アッバース朝の最盛期であった9世紀以降、アラビアでは旧サーサーン朝の支配領域に複数の王朝が成立するようになるが、それらの君主はマリク、ないしペルシア帝国の『大王』をペルシャ語で意味するシャーなどの君主号を用いるようになった。

11世紀以降に成立したセルジューク朝では、君主号はスルターンとするのが一般的になったが、それとともにマリクの称号も併称されるようになった。20世紀に入り、中東のイスラム圏においていくつもの王国が樹立され、国王の称号としてマリクが採用された。しかし、第2次世界大戦以降は中東のイスラム小王国は次々と崩壊し、マリクの称号の地位も低下していった。

マリクを称する現役の国王・王妃

2016年7月時点で、マリクを称する現役の国王は世界に4名いる。以下、マリクに就任した時期の早い順に並べる。

上記国王の存命の配偶者が、現役のマリカとなる。以下、配偶者の国王がマリクに就任した時期の早い順に並べる。

  • ラニア王妃 - 1999年2月より、ヨルダンの王妃(マリカ)。アブドゥッラー2世とは、王位就任前から婚姻関係にある。フセイン皇太子アラビア語版英語版の母。
  • ラーラ・サルマ王妃 - ムハンマド6世と結婚した2002年3月より、モロッコの王妃(マリカ)。ムーレイ・ハサン皇太子アラビア語版英語版の母。
  • サビーカ王妃アラビア語版英語版 - 2002年2月より、バーレーンの王妃(マリカ)。ハマド・ビン・イーサとは、ハマドが王位に就任する前の1968年10月から婚姻関係にあり、糟糠の妻である。サルマーン皇太子アラビア語版英語版の母。
  • サーラ王妃 (Sarah bint Faisal Al Subai'ai) - 2015年1月より、サウジアラビアの王妃(マリカ)。サルマーンの2番目[1]の妻。サウード王子 (Saud Bin Salman Bin Abdulaziz) の母だが、彼の異母弟であるムハンマド・ビン・サルマーン副皇太子の方が王室内での序列は高い。
  • ファハダ王妃 (Fahda bint Falah bin Sultan Al Hithalayn) - 2015年1月より、サウジアラビアの王妃(マリカ)。サルマーンの3番目[2]の妻。ムハンマド・ビン・サルマーン副皇太子の母。国王自身を除くと王室内で序列筆頭のムハンマド・ビン・ナーイフ皇太子はサルマーンの息子ではなく甥(サルマーンの同母兄ナーイフの息子)なので、これは、序列第2位のムハンマド・ビン・サルマーン副皇太子が、存命の異母兄3人[3]を差し置いて兄弟間での序列筆頭の地位にあることを意味する。

脚注

出典

  1. ^ 1番目の妻スルターナ (Sultana bint Turki Al Sudairi) は、サルマーンがまだ王子であった(皇太子ですらなかった)2011年7月に亡くなっている。
  2. ^ イスラームの法シャリーアでは最大で4人まで妻を娶ることが認められているが、サルマーンの妻は、スルターナ、サーラ王妃、ファハダ王妃の3名だけである。
  3. ^ 年齢の高い順に、スルターナの儲けたスルターン王子、スルターナの儲けたアブドゥルアズィーズ王子、サーラ王妃の儲けたサウード王子 (Prince Saud Bin Salman Bin Abdulaziz) となる。

関連項目


マリク

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/04/22 06:50 UTC 版)

ファイアーエムブレム (佐野真砂輝&わたなべ京の漫画)」の記事における「マリク」の解説

アリティアの大臣の甥で、3月年上マルス幼馴染緑衣魔道士第3話から登場知りたいこととあるものが欲しいために10歳カダインに行く。これ以降欲しいもののためにマルス達との接触避けていた。後述エイナスおかげで欲しかったもの「竜人族禁呪聖剣裂風(エクスカリバー)」を習得してマルス達と合流するマルスエリス現実幻想でも傷つけられることに頭に血が上ることが多い。後述ドラマCD版「プレミアムストーリー・マルスとマリク編」では、漫画版とは逆にマリクが魔道の力のテレパシーに近い会話マルス会い来ている。緑衣魔道士異名通りカラーイラストでは金髪、緑目、服は緑になっている

※この「マリク」の解説は、「ファイアーエムブレム (佐野真砂輝&わたなべ京の漫画)」の解説の一部です。
「マリク」を含む「ファイアーエムブレム (佐野真砂輝&わたなべ京の漫画)」の記事については、「ファイアーエムブレム (佐野真砂輝&わたなべ京の漫画)」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「マリク」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ

「マリク」の例文・使い方・用例・文例

Weblio日本語例文用例辞書はプログラムで機械的に例文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「マリク」の関連用語

マリクのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



マリクのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのマリク (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaのファイアーエムブレム (佐野真砂輝&わたなべ京の漫画) (改訂履歴)、アリティア王国 (改訂履歴)、バーレーンの国王 (改訂履歴)、わたしのゆうしゃさま? (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。
Tanaka Corpusのコンテンツは、特に明示されている場合を除いて、次のライセンスに従います:
 Creative Commons Attribution (CC-BY) 2.0 France.
この対訳データはCreative Commons Attribution 3.0 Unportedでライセンスされています。
浜島書店 Catch a Wave
Copyright © 1995-2025 Hamajima Shoten, Publishers. All rights reserved.
株式会社ベネッセコーポレーション株式会社ベネッセコーポレーション
Copyright © Benesse Holdings, Inc. All rights reserved.
研究社研究社
Copyright (c) 1995-2025 Kenkyusha Co., Ltd. All rights reserved.
日本語WordNet日本語WordNet
日本語ワードネット1.1版 (C) 情報通信研究機構, 2009-2010 License All rights reserved.
WordNet 3.0 Copyright 2006 by Princeton University. All rights reserved. License
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
「斎藤和英大辞典」斎藤秀三郎著、日外アソシエーツ辞書編集部編
EDRDGEDRDG
This page uses the JMdict dictionary files. These files are the property of the Electronic Dictionary Research and Development Group, and are used in conformance with the Group's licence.

©2025 GRAS Group, Inc.RSS