余命への影響
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/06 04:50 UTC 版)
1971年から1980年のデータで糖尿病患者と日本人一般の平均寿命を比べると男性で約10年、女性では約15年の寿命の短縮が認められた。このメカニズムとして高血糖が生体のタンパク質を非酵素的に糖化させ、タンパク質本来の機能を損うことによって障害が発生する。この糖化による影響は、例えば血管の主要構成成分であるコラーゲンや水晶体蛋白クリスタリンなど寿命の長いタンパク質ほど大きな影響を受ける。例えば白内障は老化によって引き起こされるが、血糖が高い状況ではこの老化現象がより高度に進行することになる。同様のメカニズムにより動脈硬化や微小血管障害も進行する。また、糖化反応により生じたフリーラジカル等により酸化ストレスも増大させる。 日本において1991年から2000年までの10年間の18,385症例を分析した結果からは、死因第1位は悪性新生物 34.1%(うち肝臓癌 8.6%)、第2位は血管障害(糖尿病性腎症,虚血性心疾患,脳血管障害) 26.8%、第3位は感染症 14.3%、糖尿病性昏睡 1.2%と報告されている。また、血糖コントロールの良否が死亡時年齢に影響を与え、男性で2.5歳、女性で1.6歳短命であった。更に、糖尿病患者の平均死亡時年齢は、男性68.0歳、女性71.6歳で同時代の日本人一般の平均寿命に対し、男性9.6歳、女性13.0歳短命であった。
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