体系的記述
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/24 04:41 UTC 版)
紀元前8世紀のヘーシオドスの『神統記』は、ギリシア神話を体系的に記述する試みのさきがけである。ホメーロスの叙事詩などにおいて、聴衆にとっては既知のものとして、詳細が説明されることなく言及されていた神々や、古代の逸話などを、ヘーシオドスは系統的に記述した。『神統記』において神々の系譜を述べ、『仕事と日々』において人間の起源を記し、そして現在は断片でしか残っていない『名婦列伝』において英雄たちの誕生を語った。 このような試みは、紀元前6世紀から5世紀頃のアルゴスのアクーシラーオスやレーロスのペレキューデースなどの記述にも存在し、現在は僅かな断片しか残っていない彼らの「系統誌」は、古代ギリシアの詩人や劇作家、あるいはローマ時代の物語作家などに大きな影響を与えた。 古代におけるもっとも体系的なギリシア神話の記述は、紀元後1世紀頃と考えられるアポロドーロスの『ギリシャ神話』(3巻16章+摘要7章)である。この体系的系統本は、紀元前5世紀以前の古典ギリシアの筆者の文献等を元にギリシア神話が纏められており、オウィディウスなどに見られる、ヘレニズム化した甘美な趣もある神話とはまったく異質で、荒々しく古雅な神話系譜を記述していることが特徴である。
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