体節制
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/18 14:13 UTC 版)
「体節制」も参照 節足動物の形態は多様で、分類群によって様々な外見を持つ。体の表面はキチン質とタンパク質等からなるクチクラ(cuticle)でできた外骨格(exoskeleton)で覆われる。成長に伴い体のサイズが大きくなるときには、脱皮により古い外骨格は脱ぎ捨てられ、新しい外骨格が形成される。節足動物は体節制(segmentation)をもち、すなわち体は体節(somite)という単位の繰り返し構造からなり、各体節は原則として1対の付属肢をもつ(後述)。体の背腹は、それぞれ背板(tergite, tergum)と腹板(sternite, sternum)という外骨格に覆われており、体節の両側で更に側板(pleuron)を持つ場合もある。表面を被うこれらの外骨格も体節単位になっており、体節の間は関節状に可動であることが多い。体の先頭の体節は先節(ocular somite、古典的には口前葉 acron)といい、節足動物の眼と口はここに由来する。一部の分類群は、体の末端に尾節(telson)という尾のような構造もある。 昆虫の合体節:頭部・胸部・腹部 三葉虫の合体節:頭部・胸部・尾部 クモガタ類の合体節:前体(頭胸部)・後体(腹部) ただし、節足動物は異規体節制(Heteronomous metamerism)がある程度以上発達し、複数の体節が組み合わされ、合体節(tagma)という外観上あるいは機能上の単位を構成する(節融合、tagmosis, tagmatization)例が多く見られる。例えば、体を「頭部・胸部・腹部」「頭部・胸部・尾部」「前体・中体・終体」などの3部、または「頭部・胴部」「頭胸部・腹部」「前体・後体」などの2部に分けて呼ぶ場合があり、これは節足動物の各分類群ごとの特徴として用いられる。特に前方の合体節(頭部・頭胸部・前体)は往々にして体節の癒合が進み、外見上では元の体節構造が見当たらず、すべて単一の外骨格に覆われている。 詳細は「合体節」を参照 なお、一部の寄生性の分類群には極端に特化し、外見上の体節構造が全く見当たらない例もある。
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