体節性
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/06 00:58 UTC 版)
口前葉 囲口節 O 口 体節の増加部分 尾節 O 肛門 環形動物の体節の模式図 環形動物は各体節の機能的分化を伴う多体節性である。多毛類では基本構造のよく似た多数の環状の体節が1列に連なっており、体内では体節と体節が隔壁 (septa)で区切られる。最も先端にある口前葉 (prostomium)は目や感覚手、副触手、感覚器といった付属器官を具える。それに続く体節は囲口節 (peristomium)で、感触糸などをもつ。口前葉および囲口節に加え数体節が変形して頭部を形成する。成体の胴部には体節が続き、胴部は胸部と腹部に分化することもある。末端には肛門があり、肛触糸を持つことがある尾節 (pygidium)がある。尾節付近で体節が増加する。ヒル類では体の前後端にそれぞれ吸盤を持つことで体節が著しく変形している。スイクチムシ類には不完全な体節がある。 有鬚動物では前体 (protosoma)、中体 (mesosoma)、胴部 (metasoma)、後体 (opistosoma)の4域に分けられ、非常に短い後体にのみ剛毛を備えた複数の体節(剛毛節)が存在する。前体と中体は「(広義の)前体 forepart」と呼ばれることもある。そのうちハオリムシ類では前体は殻蓋部 (obturaculum)、中体はハオリ部 (vestimentum)となり、胴部は栄養体 (trophosoma)と呼ばれる。後体はヒゲムシ類では複数の体節、ハオリムシ類では5-100体節からなる。 ユムシ動物では幼生には表面的な体節性が現れるが、変態すると消失し、成体の体幹は無体節となる。ただし腹神経索には痕跡的な体節性がある。星口動物は体幹は一生を通じて無体節で、幼生時のみ腹神経索には痕跡的な体節性がある。
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