会員の養成
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/14 20:21 UTC 版)
イエズス会員の養成は、霊的養成、知的養成、司牧活動(世界のいずれの場所でも働ける修道者としての)養成の三つの分野からなる。イグナティウス・デ・ロヨラはルネサンス人であり、会員たちにどんな仕事でもすぐにできるようあらゆる分野での準備をしておくことを求めた。司祭養成には(当該人物の学歴にもよるが)通常10年から12年かかる。 養成にはいくつかの段階があるが、養成に先立っておかれるのが志願期という時期である。志願期にはその人物が霊的指導を受けながらイエズス会員にふさわしいかどうかが慎重に調べられる。志願期を終えた後でようやく養成の正式な第一段階である修練期に入る。2年間の修練期では修練院(修道院)で暮らしながら、霊操を受け、イエズス会の歴史や霊性について学ぶ。同時にイエズス会の使徒職を実際に手伝うことで体験する。修練が終わると、初誓願を立てる。誓願とはカトリック教会の修道者が立てる従順、清貧、貞潔の三つの誓いのことである。誓願を立てた後で神学の勉強を継続して司祭職を目指すか、修道士になるか選ぶことになる。修道士を目指すものはそれぞれの希望や適性に応じて専門性の高い勉学をおこなう場合も多い。 司祭職を目指す場合、以下のようなコースを進むことになる。まず、哲学と神学を学ぶ。次に実地課程という期間が2年あるいは3年間あり、実際のイエズス会の使徒職に従事する。その後さらに神学の勉強を深め、叙階を受ける。叙階後の数年間支部における活動に従事した後で、再び養成支部に戻り、第3修練と呼ばれる期間に入る。これは文字通り修練期の内容を実際の体験を通してさらに深める期間である。この期間に1か月の霊操を再び授かることで霊的にもより深められる。 つねに世界のどこでも活動できることを求めるイエズス会において、現代の会員たちは英語の習得が求められている。英語が母語である会員にはスペイン語の学習が求められる。
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