任意角度の単一量子ビット回転
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/09/06 08:53 UTC 版)
「イオントラップ型量子コンピュータ」の記事における「任意角度の単一量子ビット回転」の解説
汎用量子計算の要件の一つは、単一量子ビットの状態を首尾一貫して変更できることである。 たとえば、これは0から始まる量子ビットを、ユーザーが定義した0と1の任意の重ね合わせに変換できる。 イオントラップ型システムでは、超微細量子ビットには磁気双極子遷移または誘導ラマン分光法を、光量子ビットには電気四重極遷移を使用してこれを行うことがよくある。 なお「回転」という用語は、量子ビットの純粋な状態であるブロッホ球表現を暗黙の前提としている。 ゲートの忠実度は99%を超える場合もある。 回転演算 R x ( θ ) {\displaystyle R_{x}(\theta )} 、 R y ( θ ) {\displaystyle R_{y}(\theta )} は、外部の電磁場の周波数を操作し、イオンを一定時間その電磁場に曝すことによって行うことができる。 これらの制御は次の形式のハミルトニアンに従う H I i = ℏ Ω / 2 ( S + exp ( i ϕ ) + S − exp ( − i ϕ ) ) {\displaystyle H_{I}^{i}=\hbar \Omega /2(S_{+}\exp(i\phi )+S_{-}\exp(-i\phi ))} 。 ただし、 S + {\displaystyle S_{+}} および S − {\displaystyle S_{-}} はそれぞれスピンの上昇、下降に対応する演算子である(→昇降演算子)。 これらの回転は、量子計算における単一量子ゲートの普遍的な構成要素である。 イオン-レーザー間の相互作用に関するハミルトニアンを得るには、 ジェーンズ・カミングスモデル(en:Jaynes–Cummings model)を適用する。 ハミルトニアンが見つかると、量子時間発展の原理により、量子ビットで実行されるユニタリ演算の式を導出できる。 このモデルでは回転波近似(en:rotating wave approximation)を利用するものの、イオントラップ型量子計算の目的には効果的であることが知られている。
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