仮面の陰に あるいは女の力
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/19 02:59 UTC 版)
「ルイーザ・メイ・オルコット」の記事における「仮面の陰に あるいは女の力」の解説
A・M・バーナード名義の1868年のスリラー小説で、1970年代以降の発掘・復刊で注目を集めた代表作である。すさまじい野心に燃える元女優のヒロインのジーンが玉の輿に乗るべく、美貌と演技力を武器に、年齢を偽って若い家庭教師としてイギリス貴族「コヴェントリー家」に入りむ。彼女の真のターゲットが誰なのか、その野望は成就するのか、それとも秘められた過去が先に暴かれるのか、緊迫した心理ドラマを描いた。本作は、19世紀イギリスのベストセラー小説、シャーロット・ブロンテの『ジェイン・エア』(1847年)の影響を受けているといわれる。 物語やドラマの推進力はジーンの並外れた野心だが、その理由や、その野心に対する彼女の心の葛藤などは描かれず、スリラー小説・扇情小説というジャンル小説の枠に合った悪女として表現されている。扇情小説というジェンルのお約束のようにヒロインは破滅せず、彼女をさげすんだ人々を見返して終幕となっており、オルコットの独自性が見られる。 なお、『若草物語』でジョーが執筆した通俗小説には、「コヴェントリー家の呪い」という作品がある。
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