仮名を習得するための和歌とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > ウィキペディア小見出し辞書 > 仮名を習得するための和歌の意味・解説 

仮名を習得するための和歌

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/29 00:24 UTC 版)

仮名 (文字)」の記事における「仮名を習得するための和歌」の解説

古今和歌集』の仮名序には、つぎのような記述がある。 「…なにはづのうたは、みかどのおほむはじめなり。あさか山のことばは、うねめのたはぶれよりよみて、このふたうたは、うたのちゝはゝのやうにてぞ、てならふ人の、はじめにもしける」 「なにはづのうた」というのは仁徳天皇渡来人王仁が、 なにはづに さくやこのはな ふゆごもり いまははるべと さくやこのはな という歌を奉ったという古事よる。また「あさか山のことば」というのは、葛城王すなわち橘諸兄東国視察行った折、その土地にいた采女だった女が、 あさかやま かげさへみゆる やまのゐの あさきこころを わがおもはなくに という歌を作り諸兄献上したという話である。「てならふ」とは毛筆文字を書く練習をする事で、いまでも「手習い」という言葉残っているが、上にあげた和歌2首が、当時仮名平仮名)の書き方練習するのに最初の手本とされていたということである。 和歌は文の長さ三十一字限られており、子供仮名の手ほどきを受ける教材としては手ごろなものであった。その数ある和歌の中から「なにはづ」と「あさかやま」の歌が「てならふ人の、はじめにもしける」といわれたのは、実際この2首が古い由緒持った歌らしいこと、また一方では同じ句や同じ仮名繰り返し出てくることがあげられる。「なにはづ」の歌は「さくやこのはな」という句が二度もあり、「あさかやま」も「やま」や「あさ」という仮名二度出てくる。同じ言葉仮名繰り返すほうが子供にとっては内容覚えやすく、また同じ文字繰り返し書き記すことにもなる。 しかし当時仮名はただ書ければよいというものではない。『源氏物語』の「若紫」の巻には、まだ幼女紫の上光源氏引き取りたい紫の上祖母である尼君申し入れると、「まだ難波津(なにはづ)をだにはかばかしうつゞけ侍らざめれば、かひなくなむ」 という返事をされるくだりがある。まだ「なにはづ」の歌もまともに書けないような幼い娘なので、源氏の君お相手にはならないでしょう断られのであるが、「はかばかしうつゞけ侍らざめれば」とは仮名連綿としてうまく書きこなせないということである。仮名は文字として覚えるだけではなく、その仮名連綿以って綴れるようにするのが当時仮名文字習得であった。これは単なる美観上のことだをけではなく上で触れたように自分書いたものを人に読み取らせるためには、仮名連綿書式の上でも必要なことだったのである

※この「仮名を習得するための和歌」の解説は、「仮名 (文字)」の解説の一部です。
「仮名を習得するための和歌」を含む「仮名 (文字)」の記事については、「仮名 (文字)」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「仮名を習得するための和歌」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ



英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「仮名を習得するための和歌」の関連用語

仮名を習得するための和歌のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



仮名を習得するための和歌のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaの仮名 (文字) (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS