他の諸科学との違い
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/01 10:10 UTC 版)
なぜすべての科学に比べ数学が特別に感じられるかという疑問に対しての一つの答えは、その法則が絶対的に確実で論争になりえないからだ。一方で、他の諸科学は、一定程度議論の余地があり、新しく発見された事実によって権威の座から引きずり降ろされるという危険がつねにある。 —アルベルト・アインシュタイン 自然科学や社会科学といった経験科学とは違い、形式科学は経験的手続きを含まない。形式科学はまた、偶有的な事実についての知識を仮定しないし、現実の世界を記述しない。この意味で、形式科学は論理的にも方法論的にもア・プリオリであり、その内容と妥当性は如何なる経験的手続きとは独立である。 形式科学は経験的内容を欠いた概念的なシステムだが、それは現実世界との関係が全くないというわけではない。その関係というのは、形式的主張はすべての想像しうる可能世界で成立するということである(論理式を参照)。一方で、一般相対性理論や進化論といった経験的理論に基づく主張は、すべての可能世界で成立するとは限らないのと同様に、最終的にはこの世界でも成立しないかもしれない。つまり、形式科学は如何なる領域においても適用可能であり、如何なる経験科学においても用いることができるということだからだ。 形式科学は非経験的な性質をもっているため、公理や定義の組み合わせを設定することにより、それとそれにより演繹される定理によって構築される。言い換えると、形式科学における理論は、総合的主張(en:Analytic–synthetic distinction)を一切含まない。つまり、すべての主張は分析的である。
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