他の動物における指比
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/02/11 04:30 UTC 版)
デニス・マクファデンらは、ゴリラやチンパンジーなど多くの大型類人猿の後肢指比の性的二形性を実証している。エマ・ネルソンとスザンヌ・シュルツは近年、2D:4D比が霊長類の交配戦略と人間社会の進化にどのように関係しているかを調査している。 マウスの後肢の2D:4D比における性的二形性は、マニングとブリードラブの両研究グループによる2つの研究で実証されている。この影響がすべてのマウス系統に見られるわけではないことを示唆する証拠もある。 ナンシー・バーレイの研究グループは、キンカチョウの性的二形性を実証しており、雌における指比と、雄の副性徴(性選択された形質)に対する嗜好の強さとの間に相関があることを見出した。キジでは、足の第2指と第4指の比率は、卵中のテストステロンの操作によって影響されることが示されている。 前肢の2D:3D比は、出生前のアルコール曝露の影響を受けることが雌ラットで示されている。アルツベータ・タラロビチョバらの共同研究では、出生前の期間にテストステロンが上昇すると、薬指の長さ、2D:4D比、およびオープンフィールド試験での運動活性に影響を与える可能性があることをラットから発見した。 ピーター・L・ハードとセオドア・ガーランドJr.および彼らの門下生は、自発的に滑車を回す挙動がよく見られるように選択的に繁殖されたマウスの系統における後肢2D:4D比を検査した。これらのマウス群は、2D:4D比の増大を示す。この明らかな「女性化」は、2D:4Dと人間の体力との間に見られる関係とは反対であり、2D:4D比がマウスの出生前アンドロゲン曝露量の明確な代替指標であるという考え方とは調和しにくい。著者は、2D:4D比が種々の遺伝子を調節する糖質コルチコイドやその他の因子の効果をより正確に反映しているのかもしれない、と指摘している。
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