今柊二
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/10/20 10:17 UTC 版)
| 今 柊二 (こん とうじ) |
|
|---|---|
| 誕生 | 1967年 |
| 職業 | エッセイスト、評論家(定食、大衆食文化) |
| 言語 | 日本語 |
| 国籍 | 日本 |
| 最終学歴 | 横浜国立大学 |
| 代表作 | 『定食バンザイ!』『定食ニッポン』『かながわ定食紀行』 |
今 柊二(こん とうじ、1967年 - )は、日本のエッセイスト、定食評論家[1][2]。全国各地の定食店を実地調査し、大衆食文化をテーマに執筆している[3][1]。
著書に『定食バンザイ!』『定食ニッポン』、神奈川新聞連載をまとめた『かながわ定食紀行』シリーズなどがある。
来歴
愛媛県今治市出身。愛媛県立今治西高等学校を経て[4]、横浜国立大学卒業[5]。
1994年、大学卒業後に友人2人と畸人研究学会を設立して主幹となり、1995年に機関誌『畸人研究』を創刊[6]。1996年に漫画雑誌『ガロ』で畸人に関する連載を開始[6]。その後、模型史研究家を経て、2002年の共著『東京定食屋ブック』を機に、定食評論家としての活動を本格化させた[6]。食に関する著書のほか畸人研究家としての共著や、ガンダムのプラモデルに関する著作もある[1]。
2006年から神奈川新聞日曜版(隔週)で「かながわ定食紀行」を連載[7][8]。連載開始の経緯については、『オール讀物』2006年2月号の東海林さだおとの対談を読んだ担当編集者が、本人の発言(「栄養面で定食はバランスがよい」「家に帰ってきた感じがする」)に注目し、「横浜は第二の故郷でもあるはず」として執筆依頼に至ったと回想している[9]。本連載は県内の定食店や地域の食文化を取材・紹介する長期企画で、連載の書籍化シリーズも刊行された[10]。また、同連載のイベントとして毎年末にテーマ別座談会を実施しており、2016年には日本ナポリタン学会会長・田中健介らを招き、横浜発祥とされるナポリタンをテーマに語り合った[10]。のちに日本ナポリタン学会の主催イベントにも出演し、ナポリタンの魅力を語っている[11]。
人物
筆名「今柊二」の「今」は出身地・愛媛県今治市に由来する[9]。大学進学を機に横浜市へ移り、同市で17年間を過ごしたのち、町田市在住(2020年時点)[12]。2010年の著書あとがきでは、本業を持つ会社員でネクタイを常用すると記されている[9]。
著書
単著
- 『プラモデル進化論:ゼロ戦からPGガンダムまで』(イースト・プレス、2000年)
- 『ガンダム・モデル進化論』(祥伝社、祥伝社新書、2005年)
- 『定食バンザイ!』(筑摩書房、ちくま文庫、2005年)
- 『がんがん焼肉もりもりホルモン』(筑摩書房、ちくま文庫、2006年)
- 『定食ニッポン』(竹書房、竹書房文庫、2007年)
- 『定食学入門』(筑摩書房、ちくま新書、2010年)
- 『立ちそば大全』(竹書房、竹書房文庫、2010年) - 東京新聞連載に加筆[6][13]。
- 『定食と文学』(本の雑誌社、2010年)
- 『ニッポン定食紀行』(竹書房、竹書房文庫、2011年)
- 『旨い定食 途中下車』(光文社新書、2011年)
- 『定食と古本』(本と雑誌社、2012年) - 定食と古本収集をめぐる随筆集[6]。
- 『丼大好き』(竹書房、竹書房文庫、2012年)
- 『ファミリーレストラン:「外食」の近現代史』(光文社新書、2013年)
- 『たらふくホルモン : 焼肉付き』(竹書房、2013年)
- 『土曜の昼は中華街』(神奈川新聞社、2013年)
- 『とことん とんかつ道』 (中公新書ラクレ、2014年)
- 『丼大好き』(竹書房文庫、2014年)
- 『たらふくホルモン』(竹書房文庫、2014年)
- 『定食と古本ゴールド』(本の雑誌社、2014年)
- 『お魚バンザイ!』(竹書房文庫、2014年)
- 『ニッポン定食紀行』(竹書房文庫、2014年) 竹書房の雑誌連載に加筆[6]。
- 『定食ツアー家族で亜細亜』(亜紀書房、2015年)
- 『立ちそば春夏秋冬』(竹書房文庫、2015年)
- 『学食バンザイ!!:日本大学生産工学部編』(学事出版、2016年)
- 『餃子バンザイ!』(本と雑誌社、2016年)
- 『洋食ウキウキ』(中公新書ラクレ、2017年)[14]
- 『学食バンザイ!!:横浜翠嵐高校編』(学事出版、2017年)
- 『ニッポン定食散歩』(竹書房文庫、2017年)[15]
- 『スイーツ放浪記』(中央新書ラクレ、2018年) - 『読売プレミアム』連載に加筆[16]
- 『昭和平成令和定食紀行』 (竹書房文庫、2021年) [17]
「かながわ定食紀行」シリーズ
- 『かながわ定食紀行』(神奈川新聞社、2008年)
- 『かながわ定食紀行 第2巻 おかわり!』(2010年)
- 『かながわ定食紀行 第3巻 もう一杯』(2012年)
- 『かながわ定食紀行 4杯目!そっと出し』(2014年)
- 『かながわ定食紀行 第5巻 まだ食うの?』(2016年)
- 『かながわ定食紀行 第6巻 特盛編』(2020年) - 神奈川新聞連載と「季刊誌横濱」のエッセー、泉麻人らとの座談会を収載[18]。
共著
- 『定本畸人研究』畸人研究学会:著(アスキー、1998年) - 機関誌『畸人研究』と『ガロ』の連載に加筆[6]。
- 『畸人さんといっしょ』畸人研究学会:著(青弓社、1998年)
- 『東京定食屋ブック』(交通新聞社、2002年)
- 『定本畸人研究Z』畸人研究学会:著(ちくま文庫、2004年)
- 『しみったれ家族:平成新貧乏の正体』畸人研究学会:著(ミリオン出版、2005年)
- 『餃子 : アンソロジー』(パルコエンタテインメント事業部、2016年)
寄稿・インタビュー・対談
- 『ミニコミ魂』(「畸人が畸人研究をだした 今柊二さんに聞く」)晶文社、1999年
- 『OCONOMISSION 2010:この地球は、お好み焼を待っている!』(担当範囲「日本の食文化を支える定食」)オタフクソース、2010年
- 『そうだ、ローカル線、ソースカツ丼』(「対談 東海林さだお×今柊二 正しい定食屋のあり方」)東海林さだお:著、文春文庫、2011年
- 『はま太郎』16号 南区特大号(担当範囲「新連載『横浜下町中華 今柊二飯店』南区篇」)星羊社、2019年[2]
- 『神保町本の雑誌』(担当範囲「餃子」)本の雑誌社、2023年
連載
ほか
出演
- 『新知識階級 クマグス』「定食クマグス」TBSテレビ、2010年9月2日[19]
脚注
- ^ a b c “学生時代は星新一などのSF作品に没頭した ------アノヒトの読書遍歴:今柊二さん(前編)”. AERA (2015年8月21日). 2025年10月12日閲覧。
- ^ a b “下町文化の南区 地域情報誌「はま太郎」が特集”. 神奈川新聞 (2019年10月1日). 2025年10月12日閲覧。
- ^ “今柊二”. 筑摩書房. 2025年10月12日閲覧。
- ^ “大衆食堂で定食座談会 … 「丸亀食堂(まるがめしょくどう)」(横浜・南太田)”. 居酒屋礼賛. 2021年9月6日閲覧。
- ^ ““リアル書店”に行って書棚を眺めている瞬間は至福のとき ------アノヒトの読書遍歴:今柊二さん(後編)”. AERA (2015年8月21日). 2025年10月12日閲覧。
- ^ a b c d e f g “定食評論家・今柊二の世界”. WEB本の雑誌. 2025年10月12日閲覧。
- ^ “楽しもう読書の秋 今さんらトークイベント”. 神奈川新聞 (2016年11月13日). 2025年10月12日閲覧。
- ^ “【かながわの本】庶民が楽しく食べてきた 「洋食ウキウキ」今柊二著”. 神奈川新聞 (2017年4月19日). 2025年10月12日閲覧。
- ^ a b c 今柊二「あとがき(篠原慎一郎 執筆)」『かながわ定食紀行 第2巻 おかわり!』神奈川新聞社、2010年10月31日、217-221頁。ISBN 978-4-87645-464-8。
- ^ a b “横浜発祥「ナポリタン」大いに語る 評論家ら4人の座談会”. 神奈川新聞 (2016年12月23日). 2025年10月12日閲覧。
- ^ “ナポリタンの魅力語り合う 日本ナポリタン学会がイベント”. 神奈川新聞 (2018年12月25日). 2025年10月12日閲覧。
- ^ 今柊二『かながわ定食紀行 第6巻 特盛編』神奈川新聞社、2020年2月19日、巻末「著者紹介」。 ISBN 978-4876456048。
- ^ “【照明灯】変わり続ける駅そばの世界”. 神奈川新聞 (2016年1月21日). 2025年10月12日閲覧。
- ^ “【かながわの本】庶民が楽しく食べてきた 「洋食ウキウキ」今柊二著”. 神奈川新聞 (2017年4月19日). 2025年10月12日閲覧。
- ^ “【かながわの本】チェーン店も愛して「ニッポン定食散歩」今 柊二 著”. 神奈川新聞 (2018年3月16日). 2025年10月12日閲覧。
- ^ “【かながわの本】「スイーツ放浪記」舌を頼りに歴史を書く”. 神奈川新聞 (2018年12月5日). 2025年10月12日閲覧。
- ^ “店で食べるシアワセ”. 神奈川新聞 (2021年11月13日). 2025年10月12日閲覧。
- ^ “「かながわ定食紀行」5人に”. タウンニュース 神奈川区版 (2020年3月5日). 2025年10月20日閲覧。
- ^ “No.137 定食クマグス 今柊ニ”. TBS (2010年9月2日). 2025年10月12日閲覧。
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