人魚のミイラ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/14 09:21 UTC 版)
日本各地では、人魚のミイラあるいは剥製と称して猿の頭・胸部に魚類の胴体・尾を継ぎ合わせたものが、西洋向けの土産品として作成されていた。魚はスズキ型の種類が選ばれている。中国広東州でも、コイ科の魚や他種を合成して巧みに人魚が作成された。 また、人魚のミイラか剥製、また体の一部を保存したと称する物品が、日本各地に伝えられている。 滋賀県願成寺の美人尼僧に恋し、人間に化けて通っていたが、捕えられ殺されたと伝わる人魚のミイラ。 滋賀県観音正寺。もと琵琶湖の人魚のミイラ。もとはこの湖(堅田浦)の漁師で、無益な殺生の業ゆえに人魚の姿となりはて、魚に生き血を吸われるという畜生道に落ちた。聖徳太子が通りかかり、不憫に思って観音像を手づから刻んで収め、この寺を建立させたと縁起に伝わる。成仏した人魚男はミイラとなった。伝・ミイラは現存したが1993年焼失。 和歌山県橋本市、高野山の麓、西光寺の学文路苅萱堂(かむろかるかやどう)には全長約50センチメートルの人魚のミイラがあり、不老長寿や無病息災を願う人々の信仰の対象となっている。2009年3月、和歌山県有形民俗文化財に指定される。伝説の生物が都道府県の文化財に指定されるのはこれが初。 博多津に人魚が出現した際には国家長久の瑞兆と占われ、人魚は龍宮寺(博多区)に埋葬された。龍宮寺には今も人魚の骨が伝えられている。
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