人物神に肯定的な文明
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/08/07 01:00 UTC 版)
日本の場合、君主に限らず菅原道真など多くの人物が神格化された。また日本の君主である天皇は、神の子孫とされ、わざわざ神格化することがなかった。よって神君は、皇室出身者以外の為政者に限られた。その中でも神君といえば徳川家康を指す場合が多い。これは、江戸時代の間に多くの大名が東照宮に寄進造営を行ったからである。つまり源頼朝や他の神格化された君主よりも長い期間、信仰されたために広く定着したと考えることが出来る。 ローマ帝国の場合、ローマ建国の国王ロムルスの血統が絶えて共和制が布かれていた。ローマ皇帝は、これに変わって新しい君主として即位することになり、カエサルや歴代のローマ皇帝は、神として神格化された。ただし神君という語自体が日本語なので現地でカエサルを神君と呼ぶ習慣は、勿論ない。ただ日本においてカエサルを徳川家康に比類して、この称号で紹介されることがある。 中国や朝鮮、東アジア地域では、王朝の建国者を「高祖」、「太祖」、「神祖」などとして廟号を送り信仰の対象とした。しかしこれらは、祖先を祀る風習の延長線から来たものであり王朝が途絶えると信仰されることもなくなっていった。ただしモンゴル帝国のチンギス・ハンは、モンゴル人に未だに根強い人気があり神として崇められている。
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