交流ネットワーク相互接続
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/05/11 08:37 UTC 版)
「直流送電」の記事における「交流ネットワーク相互接続」の解説
交流配電線は、同じ周波数と位相で発振している広域同期電力網のみを接続することができる。電力を分配したい多くの地域では非同期ネットワークをもっている。英国の電力網、北欧およびヨーロッパ大陸は単一の同期ネットワークに統合されていない。日本は50 Hzと60 Hzのネットワークを持っている。北米大陸では、全て60 Hz(アラスカとグリーンランドは50 Hz)で運用されている一方で、非同期である地域に分割されている(東部、西部、テキサス、ケベック、アラスカ、グリーンランドの各相互接続)。ブラジルとパラグアイは、巨大なイタイプダム水力発電所を共同運用しているが、それぞれ60 Hzと50 Hzで運用されている。しかし、HVDCシステムは非同期交流ネットワークを相互接続することを可能にし、交流電圧と敏感な電力消費を制御する可能性を付与することができる。 長大な交流配電線に接続された発電機は不安定となり、遠方の交流システムでは同期が外れる可能性がある。HVDC送電連系は、遠方の発電所で使用することで経済的にふさわしいものとなるだろう。洋上風力発電所では、HVDCシステムを多数の非同期発電機から海底ケーブルを通じて陸地へ送られる電力を補正するために利用できるだろう。 しかし一般的には、HVDC電力線は2つの地域交流電力網の相互接続を行うだろう。交流と直流電力間を変換する機器は、送電において多くのコストを付与する。交流から直流の変換は整流、直流から交流への変換は逆変換(逆変換回路: インバータ)として知られる。上記のいくつかの収支の合う距離(海底ケーブルでは約50 km、架空送電線ではおよそ600 - 800 km)、HVDCの導体の価格の低さが、電気機器のコストより重要である。 また、変換機器は電力潮流の大きさと方向を制御することによって、送電網を効率的に管理する機会を提供する。既存のHVDC連系の追加的な利点は、それゆえ、送電網における高い安定性をもっていることである。
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